センバツ復活出場が「当確」

帝京高は過去に春14回、夏12回の甲子園出場で春優勝1度、夏優勝2度の実績を誇る。甲子園通算51勝23敗。1972年から2021年夏まで指揮した前田名誉監督がつくり上げた功績でもある[写真=BBM]
秋季東京都大会で帝京高が16年ぶり10度目の優勝を遂げた。関東第一高との決勝を8対4で勝利。同大会は来春のセンバツ甲子園の重要な資料となっており、2010年以来となる復活出場を「当確」の立場とした。神宮球場で見守った甲子園通算51勝の名将・前田三夫名誉監督が試合後、喜びを語った。
――教え子である金田優哉監督が優勝を決めた直後、一塁ベンチ前で涙を流していました。
前田名誉監督 地道にチームをつくってきましたよ。常に(春・秋の東京、夏の東東京で)ベスト4、ベスト8には来ていましたので、私は遠くのほうで見ていたんですけど、いずれチャンスはあるだろうなとは見ていました。
――勝因は?
前田名誉監督 経験から勝利をつかみ取ることができた。負けてきましたけど、負けというのは、非常に大事なものだと思っていますよ。負けて下がるのはダメですけど、負けてチームづくりをしてきましたから、その積み重ねが今回につながったと思います。
――優勝の校歌を聞いた感想は?
前田名誉監督 甲子園は決まったわけではありませんが、あの縦縞のユニフォームでまた、甲子園に行けるようなことになれば、楽しみです。
――全国のファンも「復活」を待ち望んでいたと思います。どんな野球を見たいですか。
前田名誉監督
大谷翔平選手が2023年のアメリカとのWBCの決勝で言ったじゃないですか。「あこがれるのをやめましょう。あこがれてしまったら、超えられない。あこがれを捨てて、勝つことだけ考えましょう」。あれですよ。甲子園はあこがれだけではダメですから。高校野球だから、勝ち負けは別として、今までどおりの精進してきたものが発揮されるような野球をしてもらいたいなと思います。
――センバツ出場が決まれば(選抜選考委員会は来年1月30日)、甲子園の舞台は前田名誉監督が率いた2011年夏以来です。
前田名誉監督 今回は帝京長岡(新潟)の芝草(
芝草宇宙、帝京高OB、元
日本ハムほか)が北信越大会で優勝を決めて、本家本元も何とかねえ……と思っていたんです。これは、金田君には言っていないですけど……(苦笑)。プレッシャーになりますからねえ……。内心はそういう思いがありましたから、本当にうれしく思いますよ。うれしさは2倍? そうですね。ありがとうございました。
文=岡本朋祐