プロ4年目にブレーク

3年目の今季、飛躍することができなかった浅野
高卒4年目の来季は覚醒できるか。
巨人・
浅野翔吾は来季が野球人生の分岐点を迎えていると言っても大げさではないだろう。
今季は29試合出場で打率.187、2本塁打、8打点。春先から打撃の状態が上向かず、イースタン・リーグでも打率1割を切り、一軍でプレーした支配下の選手で異例となる三軍でプレーした時期があった。この環境で力強いスイングを取り戻し、5月7日に一軍昇格。2試合連続アーチを放つなど好スタートを切ったが、6月5日の
ロッテ戦(ZOZOマリン)で右手首付近に死球を受けて「右尺骨茎状突起不全骨折」で戦線離脱。リハビリを経て、8月22日に再昇格したが結果を残せず、2週間あまりで登録抹消された。
プロ3年間で培った経験を、飛躍の糧にしなければいけない。球界を代表する強打者たちは高卒4年目にブレークしているケースが多い。
鈴木誠也(カブス)は
広島時代の2016年に129試合出場で打率.335、29本塁打、95打点をマーク。自身初の規定打席に到達し、リーグ制覇の原動力になった。今年限りで現役引退した
中田翔(元
日本ハム、巨人、
中日)は4年目の11年に143試合出場で打率.237、18本塁打、91打点。開幕から19打席連続無安打と苦しいスタートだったがその後は復調して勝負強い打撃を発揮し、四番に抜擢された。
浅野が尊敬するチームメートの
岡本和真も、4年目の大ブレークが野球人生の大きな転機になった。3年目を終えた時点では通算35試合出場で1本塁打だったが、18年に当時の
高橋由伸監督にレギュラーで抜擢されると、全143試合出場で打率.309、33本塁打、100打点と大活躍。22歳シーズンでの3割、30本塁打、100打点達成は史上最速記録だった。
「ミスショットが減った」

プロ4年目に3割、30本塁打、100打点を挙げた岡本
岡本は18年のシーズン途中に週刊ベースボールのインタビューで、以下のように語っていた。
「たくさんのファンの方々の中で野球をしているので、1試合を終えたときの疲れ方はファームにいたときとは比べものになりません。疲労も少しずつ溜まってはきています。ただ、やっぱりプロですから。一軍で出続けたいですし、気持ちは開幕からずっと充実したままです。ストレッチをしたり、お風呂に長く入ったり、自分でできるケアにも力を入れて。ケガで離脱するようなことだけはないようにしたいですね。この成績については出来過ぎだと思っています。ただ、僕が試合に出続けるためには、1試合に1本でも多く打たないといけませんから。毎日結果を出さないと次はない、という思いでプレーしています」
「ミスショットが減ったと思います。甘いボールは見逃さずに、積極的に打ちにいけている。昨年などは目の前の結果を求めて小手先だけのスイングになっていたことで、逆に結果がついてきませんでしたが、今年は自分本来の、強いスイングも継続してできていると思います。ただ僕が出始め(の若手)で、まだ相手も探り探りの状況だったと思うんです。その中で結果が出ているだけ。後半戦に入れば、データも出そろって、弱点をドンドン攻められると思うので、今のままでいいとは考えていません」
外野の3枠はレギュラー白紙
その岡本がポスティングシステムでメジャー挑戦が決まり、巨人は変革期を迎えている。今年は
泉口友汰がリーグ2位の打率.301で遊撃の定位置をつかんだが、岡本の脇を固めるクリーンアップが固定できなかった。2ケタ本塁打をマークしたのは17本塁打のトレイ・キャベッジ、15本塁打の岡本、11本塁打の
リチャードのみ。打点もキャベッジの51打点がチーム最多と中軸を担う強打者の育成が急務となっている。
外野の3枠はレギュラーが白紙の状況で浅野にも十分にチャンスがあるが、スタメンで試合に出続けるためには、打力向上だけでなく外野の守備能力を高め、走塁技術を磨く必要がある。勝負は開幕前から始まる。チーム内の競争で生き残るためには結果を出さなければいけない。浅野が一本立ちすれば、チーム力が大きく上がることは間違いない。
写真=BBM