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外野挑戦で来季ブレークの予感…他球団から評価高い「巨人の強打者」は

 

名前と同じライトへ


今季は自己最多の103試合に出場した中山


 巨人岡本和真のメジャー挑戦が決まり、吉川尚輝が股関節手術を受けて現時点で復帰のメドが立っていない。遊撃の泉口友汰を除き、各ポジションの定位置が固まっていない。その中でブレークの期待が高い選手が、中山礼都だ。

 入団以来、内野を守ってきたが、出場機会を増やすため外野に挑戦。8月下旬から名前と同じ「ライト」が定位置になった。不慣れな部分があったが、野球センスは目を見張るものがある。阿部慎之助監督は「中山を慣れないポジションに入れたんだけど、なぜかね、ウチの外野手では一番、守備範囲が広いっていうデータもしっかり出ている」と高く評価。中山自身も「話題になるだろうなとは多少、思っていました(笑)。角度とか景色は違ったけど、特に違和感なくやれた」と自信を口にしていた。

 同じ中京大中京高の先輩でもある父から「右翼手にはいい選手が多い」という理由で名づけられたポジションでレギュラー奪取のチャンスを迎えているのは、運命かもしれない。

キャリアハイの数字


 他球団の首脳陣から「天才的な打撃センス」と評され、ファームで好成績を残していたが、一軍で殻を破り切れないシーズンが続いた。2022年は50試合、23年は78試合に出場したが、昨年は32試合に減少。「七番・三塁」でスタメン出場した8月10日の中日戦(バンテリン)では2回に細川成也の三ゴロをさばいたが、一塁への送球が逸れて内野安打に。打撃でも2打席連続三振を喫して途中交代を命じられると、翌11日に登録抹消された。この年は打率.318と打撃で持ち味を発揮したが、守備が安定しなければ首脳陣はスタメンで起用しづらい。

 今年は8月19日のヤクルト戦(神宮)で逆方向の左翼に2打席連続アーチを放つなど4安打をマーク。積極的に初球から振りにいく一方で、ボール球をきっちり見極めて出塁することを忘れない。8月22日のDeNA戦(東京ドーム)では4打席連続四球で出塁。打撃面の貢献度を評価され、翌23日から右翼でスタメン起用されるようになった。9月13日の阪神戦(東京ドーム)では、初回二死満塁で高橋遥人の直球を弾丸ライナーで右翼に運ぶプロ初の逆転満塁弾。103試合の出場で打率.265、7本塁打、32打点はいずれもキャリアハイの数字だった。DeNAに敗れたCSファーストステージでもアーチを放った。

外野転向で花開いたレジェンド


外野転向となった4年目に首位打者を獲得した福留


 外野に挑戦したことが、野球人生の大きな転機になる可能性がある。日米通算2450安打をマークした福留孝介は遊撃で中日に入団したが、外野にコンバートされたプロ4年目の02年に打率.343、19本塁打、65打点で首位打者を獲得。06年には打率.351、31本塁打、104打点で2度目の首位打者に輝くなど球界を代表する強打者に飛躍した。現役引退後に週刊ベースボールのインタビューで、以下のように語っている。

「今思えば、あのまま遊撃を続けていたら、あっという間にプロ野球人生が終わっていたと思います。とっくの昔にやめていたなと。当時の山田(山田久志)監督から外野一本でと言われて分かりましたと。それを拒否する選択肢は僕の中にはなかった。でも守ってみて意外と冷静に野球を見られる場所だなと思いました。悪く言うと少しボーッとできるというか。今まで全体的に(俯瞰して)野球を見ていなかったことに気づかされました」

 02年から打撃コーチになり、つきっきりで指導してくれた佐々木恭介氏に感謝の思いも明かしている。

「あの人がいなかったら、ここまで長く続けられていなかったと思います。それまで迷っていた部分を消してくれたというか、すごくシンプルにしてくれました。1つのことを徹底的に教えてくれるんです。その出会いも、外野に転向したことも、もちろん大きかったですが、一番は社会人を経ての4年目で、ここで結果を残せなければ野球を辞めないといけないと腹をくくったシーズンだったと思っています。首位打者のタイトルを獲れて、これでこの世界でやっていけるかなと初めて思いました」

 中山も来季が勝負の年になる。レギュラー奪取のチャンスが何度もめぐってこないことは、本人が身にしみて感じているだろう。V奪回の救世主になれるか。

写真=BBM
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