週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

巨人のかつての正捕手が出場機会激減…「来季が野球人生の正念場」に

 

先発マスクは3試合


今季は自己最少の56試合出場と不本意な成績に終わった大城


 置かれている立場は厳しいが、はい上がるしかない。巨人大城卓三だ。

 今年はプロ8年目で自己最少の56試合出場し、打率.187、3本塁打、10打点。「五番・一塁」で出場した4月22日の中日戦(東京ドーム)から2試合連続アーチを放ったが、その後は23打席連続無安打と快音が止まった。代打とスタメン出場で難しい役割だったが結果を残せず、5月24日に登録抹消された。6月6日に再昇格したが、打率1割台と好調を維持できず約1カ月後に再びファームへ。7月26日に一軍昇格したが、ベンチから戦況を見守る時間が長かった。先発マスクの出場試合数を見ると、岸田行倫が69試合、FA移籍で加入した甲斐拓也が64試合、小林誠司が6試合、山瀬慎之助が1試合、大城は3試合だった。

 入団以来、強打の捕手として存在感を高めてきた。2021年から3年連続2ケタ本塁打を記録。23年は134試合出場で初の規定打席に到達し、打率.281、16本塁打、55打点といずれもキャリアハイの数字を残した。長打力だけでなく、リーグトップの21犠打と小技もきっちり決める。守備でも盗塁阻止率.373と攻守で活躍が光り、2度目のベストナインを受賞した。だが、阿部慎之助監督が就任した昨年は打撃不振で5月にファーム降格を味わうなど、96試合出場で打率.254、3本塁打、27打点。先発マスクは34試合にとどまった。

球団OBの評価


 球団OBで野球評論家の村田真一氏は週刊ベースボールのコラムで、大城について以下のように語っている。

「阿部監督は現役時代、若くして正捕手になりましたが、こうしたキャッチャーとしてのリーダーシップをしっかり発揮していました。私もコーチとして『ピッチャーが先輩でも、違うと思ったらしっかり言わなあかん』と伝えていました。そうした部分で、阿部監督は大城にキャッチャーとしてもう一皮むけてほしいと考えているのではないかと思いますし、『小林と岸田の捕手らしさを見習ってほしい』という言葉につながったのだと思います」

「もちろんキャッチャーの打力に頼らない打線を組むことができれば理想ですが、先ほどもお伝えしたように捕手起用も打力との兼ね合いになります。やはりその中で、一番打力のある大城が復活できるか、キャッチャーとしてさらに成長できるかは、今後の捕手起用における大きなカギになるでしょう」

 捕手としては不完全燃焼だったが、6月下旬以降に四番・岡本和真の後を打つ「五番・一塁」でポイントゲッターとして活躍した貢献度は大きい。一塁では33試合出場して打率.333、2本塁打、16打点をマークし、4年ぶりのリーグ優勝に貢献した。

野球人生の大きな決断


 大城は、昨オフに野球人生で大きな決断を下している。国内FA権を取得して去就が注目されたが、「ジャイアンツでの7年間を思い返しながら考えた中で、ジャイアンツで戦いたいと素直に思いました。今のチームメートと、いい景色を見たい。このチームでプレーしたいという思いが強かった」と複数年契約を結んだ。「強打の捕手」として他球団からの評価が高かったが、厳しい道を覚悟の上で巨人に残留を決断した。


 甲斐、岸田との正捕手争いで後塵を拝した今年は苦しいシーズンになったが、時間は巻き戻せない。チームは大きな変革期を迎えている。不動の四番としてチームを引っ張ってきた岡本和真がポスティングシステムを利用し、メジャー挑戦を発表。今後の補強戦略が注目されるが、大城は打撃でアピールすれば一塁で出場機会が増える可能性が十分にある。

 もちろん、捕手として定位置奪取も狙う。岸田、甲斐を追いかける立場だが、32歳は捕手として円熟味が増す時期だ。大城を信頼している投手は多い。首脳陣の信頼を取り戻すためにも、捕手として成長した姿を見せる必要がある。正念場を迎える来季は再び輝けるか。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング