2022年には首位打者

巨人のユニフォームを身にまとった松本。背番号は「9」となった
新天地で復活へ。大きな決意で巨人のユニフォームに袖を通すことを決断したのが、
日本ハムから国内FA権を行使して移籍した
松本剛だ。
日本ハムは
新庄剛志監督が2022年に就任し、見事にチームを再建した。2年連続最下位から2年連続2位と躍進。その初年度に強烈な輝きを放ったのが松本だった。レギュラーをつかめないシーズンが続いていたが、22年に117試合出場で打率.347、3本塁打、44打点で自身初の首位打者を獲得。右打者で球団史上初の快挙だった。
その後も3年連続で規定打席に到達したが、昨年は127試合出場で打率.236、1本塁打、19打点と不本意な成績に。巻き返しを誓った今年も打撃不振に苦しんだ。前半戦に2度のファーム降格を経験。「気持ちの整理というところで、すごく難しいものが最初はあった」と責任を背負いこんでいた。
水谷瞬、
万波中正、
五十幡亮汰、
矢澤宏太と伸び盛りの選手たちが台頭する中で、出場機会を減らしていく。66試合出場で打率.188、0本塁打、7打点。得点圏打率.175と勝負強さが鳴りを潜めた。
憧れだった東京ドーム
日本ハムへの愛着は強い。23年から本拠地がエスコンフィールドに移転した際は、「僕もエスコンフィールドの中をちょっと歩いてみたりしたんです。コンコースとか、ファンの方が飽きない、楽しめるつくりになっているなとあらためて感じました。野球が好きな人はもちろん、あまり興味がなかった人でも、一度スタジアムに足を運んでもらえれば球場の雰囲気が伝わると思いますし、楽しめる場所がたくさんあります。そうすれば野球自体のいろいろな楽しさを分かってもらえる機会も増えていく。もちろん僕たちはそのためにも、野球そのものの楽しさを分かってもらえるようなプレーを全員で毎試合、やっていきたいですし、やらなければならないと思っています。ぜひエスコンフィールドに足を運んでもらって、これからも応援し続けてもらえたらうれしいです」と週刊ベースボールのインタビューでファンに呼びかけていた。
一方で、幼少期は巨人ファンだったことから、憧れだった球場について聞かれると、以下のように語っている。
「やっぱり東京ドームですね。小さいころは野球を見に行くのは東京ドームばかりでしたし、『プロ野球選手になって東京ドームでプレーしたい』というのがずっと夢でした。(始めてプレーした時は)プロに入って何年目だろうな(2017年5月13日、
ロッテ戦)、あまり記憶がないですけど(笑)。ただ、初めて東京ドームのグラウンドに立ったときはすごく興奮したということを覚えています。それは今でも変わらなくて、やっぱり東京ドームでプレーするときはテンションが上がりますね」
手薄になった外野陣
今オフに国内FA権を行使すると、その巨人から獲得のオファーが届いた。「最初に声をかけていただいて、来季戦力になってほしい、と阿部監督から直接言っていただいた。もう一度自分を鍛え直してチャレンジしたいという思いが正直強かった」。悩み抜いた末、新たな挑戦に踏み切った。
松本は広角にはじき返すシュアな打撃だけでなく、中堅の守備能力の高さに定評がある。今年の巨人は
エリエ・ヘルナンデス、
佐々木俊輔、
オコエ瑠偉、
若林楽人など8人の選手が中堅でスタメン起用されたが固定できず。ヘルナンデスは今季限りでの退団が決定的で、オコエも海外リーグなどに挑戦するため自由契約になることが11月28日に発表された。手薄になった外野陣でFA戦士にかかる期待は大きい。
与えられた背番号は9。「ジャイアンツファンで育ってきたので、9番といえば清水(
清水隆行)さん、亀井(
亀井善行)さんというイメージが自分の中ですごくあって、その背番号を背負わせていただいてレギュラーとして引っ張っていきたいなという気持ちです」と入団会見で表情を引き締めた。
憧れのユニフォームを身にまとい、輝きを取り戻せるか。
写真=BBM