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DeNAからFA移籍 桑原将志の加入で「西武が熱い集団になる」

 

DeNAを象徴する選手


DeNAからFA移籍で西武のユニフォームの袖を通す桑原


 今オフのFA市場で大きな決断を下した選手の一人が、DeNAから西武に移籍した桑原将志だ。

 DeNA一筋14年。このまま現役引退まで横浜スタジアムでプレーすることを想像していたファンが多かっただろう。身長174センチと恵まれた体格ではないが、体を張ったプレーでチームを引っ張ってきた。センターの守備では際どい打球に飛び込むダイビングキャッチが代名詞に。走塁でも一つでも先の塁を貪欲に狙い、気迫あふれるヘッドスライディングでナインを鼓舞する。泥だらけのユニフォームが似合う切り込み隊長は、DeNAを象徴する選手だった。

 印象深い活躍を見せたのが、ソフトバンクと激突した昨年の日本シリーズだった。第1戦、第2戦と2連敗した後に、選手だけ集まった緊急ミーティングで「全員で気持ちを前面に出して立ち向かっていこう」と訴えた。第3戦では、初回の先頭打者でスチュワート・ジュニアから二塁打を放って先制点のきっかけを作ると、2回の守備で中前に飛んだ打球をダイビングキャッチで好捕。5回に決勝の勝ち越しソロを放ち、雄叫びを上げた。日本一を決めた第6戦でも猛打賞、3打点の大活躍。日本シリーズ史上初の5戦連続打点を達成してMVPに選出され、「目の前の試合一戦一戦必死で、チームを絶対引っ張っていくっていう強い気持ちがありましたので。みんなと一緒に日本一取れて本当にうれしいです」と充実した表情を浮かべた。

仲間を鼓舞する能力


 入団時から桑原を見守ってきたDeNAの初代監督・中畑清は感慨深かった。週刊ベースボールの取材で以下のように語っていた。

「環境が整えば、選手も自分からしっかりやらなきゃいけないなっていう気持ちがどんどん出てくる。それに付随して選手が育ってきた、そういうことだろうね。確実に俺の(監督)時代、ラミちゃん(アレックス・ラミレス)の時代、大輔(三浦大輔)の時代とそれぞれの時代から選手たちが育ってきているから」

「そんな中、俺の時代の連中はベテランとしてチームを引っ張るようになった。クワマン(桑原将志)がシリーズMVPを獲ったけど、2連敗したあとに選手間でミーティングをして、『このまま終わっていいのか。このままだったら絶対負けるぞ』と宣言して鼓舞したらしい。まさかそんな選手になってくれるとは思わなかったもん。確かにチームリーダーらしい雰囲気は持っているんだけど、言葉でチームを引っ張る、鼓舞する能力があることは見抜けなかった。でもそこまで成長した」

常に挑戦者として


 今年はオープン戦最終戦で右手首付近に死球が直撃。「右手親指骨折」で開幕はファームスタートになったが、5月初旬に一軍昇格すると一、二番でチャンスメークした。106試合出場で打率.284、6本塁打、27打点、10盗塁。目標のリーグ優勝に届かず、2年連続下克上も達成できなかったが、攻守でチームへの貢献度は高かった。

 そして、今オフ。4年契約が切れ、海外FA権を行使して熟考の末に西武移籍を決断した。DeNAに残留すれば、中堅のレギュラーで試合に出続けられただろう。だが、西武の中堅は今年ゴールデン・グラブ賞を受賞した若手成長株の西川愛也がいる。桑原はセンターだけでなく両翼を守る可能性がある。パリーグ球団に移籍することで、打撃でも相手バッテリーの配球を新たに勉強する必要がある。厳しい道を選んだと言えるが、常に挑戦者であり続けたいという思いを貫いた。

 DeNA退団が決まり、「ベイスターズファンの皆さまの応援がいつも気持ちを奮い立たせてくれて、勇気を与えてくれました。応援歌にもありました『ガッツマン』。今の自分がそのスタイルを確立できたのもベイスターズファンの皆さまが、僕をプロとして生きていく道へ導いてくれたおかげだと思っております。皆さまと共に戦い抜いてきた日々は一生の財産であり、一生忘れることはありません。新天地でも自分らしくひたむきに、皆さまに与えてもらった勇気を次は自分が皆さまに与えられるように全力で頑張ってまいります。14年間本当にありがとうございました」と球団公式サイトを通じて感謝の思いを発表した。

 DeNAの関係者は「クワらしく頑張ってほしい。西武は熱い集団になりますよ」とエールを送る。ガッツマンの愛称で親しまれた核弾頭は、西武でも勝利のために全力を尽くす。

写真=BBM
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