立大、法大、東大で女性主務

左から2026年の主務を務める法大・佐藤、東大・堂埜、立大・大西。同一年度で女性主務3人は東京六大学で初である[写真=BBM]
東京六大学野球連盟は1925年秋に創設。2025年、結成100周年のシーズンを終えようとしている。11月29日には記念試合が同連盟の本拠地・明治神宮球場で開催され、12月7日には東京都内で記念祝賀会が行われた。
26年の101年目、同連盟に新たな歴史が刻まれる。6校のうち法大、東大、立大は女性主務(チーフマネジャー)が務める。同一年度で最多だった22年の2人(法大、立大)を上回る3人。立大・大西陽菜乃(3年・高松商高)、法大・佐藤瑛(3年・法政二高)、東大・堂埜智咲紀(3年・湘南高)に話を聞いた。
――主務に就任した意気込みをお願いします。
大西 2022年の大河原(大河原すみれ)さん、24年の遠山(遠山夏澄)さんに続いて(立大の女性主務としては)3人目ですね。未熟な部分があるかと思うんですけど、チームのために全力で尽くしたいです。リーグ優勝のため、全員が本当に一枚岩になることが大事だと思うので、マネジャーとしては環境づくりに努める。また、チームとしては、皆で一丸となって戦えるようにしていきたいなと思います。
佐藤 毎年、チームとしての目標はリーグ戦優勝、日本一なんですけど、なかなか達成できていない状況があります。もう一回、チームとして何が必要なのかを自分自身、チームの皆と一緒に考えて、この1年、頑張ってやっていきたいと思います。個人の目標としては、大西さんとかぶるんですけど、選手が野球に集中できる環境づくり。精いっぱいサポートしていきたいです。
堂埜 今年、奥畑ひかりさんが東大では初めての女性主務となり、いろいろと道を切り拓いてくださりました。ひかりさんはこの1年で体制を築いてくださったので、それをしっかり引き継ぎ、根付かせられるような環境づくりをしていきたいなと思います。個人としては、東大は最近、選手もスタッフも増えてきて、なかなかリーグ戦に直接関われないと、心のどこかで思っている部員もいるのかなと思うんです。一人ひとりに、役割がある。全部員がリーグ戦のようなチームの出来事に自分が参加している、自分がちゃんと一員であるというのを感じられるような組織づくりをしていきたいなと思っています。私が主務として引っ張っていくというよりは、周りの同期とか他のマネジャーも頼りながら、皆でチームを前に進められるような組織にしたい。今年は「勝利」と「勝ち点奪取」というところを第一に置き、東大としては斬新な目標を掲げました。過去の先輩方が築いた伝統と、今年の良かった部分を融合させて、選手とコミュニケーションを取ったチームづくりをしたいなと思います。
高校時代もマネジャー
――堂埜さんは、湘南高校でもマネジャーされていたんですね。
堂埜 私は一浪なので今年の主将・杉浦(杉浦海大)が、湘南高校の同期です。杉浦にはいろいろと話を聞いてきた部分もあるので、そういった経験も生かせたらいいなと思います。
――東大を志望した理由は。
堂埜 野球部に入るために、湘南に入学しました。毎年秋、湘南の野球部は東京六大学リーグ戦を見学しているんですけど、高校2年時に独特なムードを味わいました、当初は大学野球でマネジャーすることは全然、考えてなかったんですけど、神宮球場でアナウンスができるチャンスがあるというのと、湘南の先輩が活躍している姿を見て、自分も入りたいなと思い、志望校を東大に変えました。
――かつてはソフトボールをやっていたんですよね?
堂埜 中学生のときです。人数がすごく少なかったので、いろいろなポジションを経験したんですけど、主にショートで、ピッチャーも兼任でした。ソフトボールをやりたかったというより、野球部のマネジャーが中学ではなかったので、それに近いことをしたいというので、ソフトボールを選びました。
選手を最大限サポート
――佐藤さんも高校時代は「選手」だったんですね?
佐藤 法政二高では水泳部に所属して、小・中・高はずっと水泳をやっていました。
――大きな大会に出場した実績はありますか。
佐藤 個人最高としては高校時代、背泳ぎの100メートルと200メートルで関東大会に出場させていただきました。
――佐藤さんはアナリストからマネジャーに転身するという、稀なケースですね。
佐藤 はい。7月下旬ぐらいからチーム方針でマネジャーになり今秋、初めてリーグ戦運営を経験しました。アナリストとして4年間を全うするつもりだったので、打診された際は正直、ビックリしました。マネジャーの仕事も責任重大です。チームの勝利に貢献できるように、頑張りたいと思っています。この秋は他の五大学の先輩、後輩マネジャーからサポートしてもらいながら、流れを把握し、何とか仕事内容をつかむことができました。
――大西さんは高松商で
巨人・浅野(
浅野翔吾)、慶大の渡辺(
渡辺和大)と同級生ですね。長尾健司監督の下で活躍されたわけですね。
大西 活躍、という言葉が正しいか分からないんですけど、全力で取り組みました。
――高松商高を志望された理由は何ですか。
大西 県内で一番強い、本気で優勝を目指しているチームがいいなと、高松商を志望しました。大学も同様で、東京六大学という高いレベルでチャレンジしたい、と。渡辺が慶應に進学するのは知っていましたので、自分も六大学で、という思いもありました。
――高松商高は3年夏(2022年)の甲子園で8強に進出しました。
大西 九州国際大付高との3回戦で、記録員としてベンチ入りしました。観客の方との距離が近く、人数にとにかく圧倒されました。
――東京六大学では、同一年度で3人の女性主務が活動するのは、初めてのケースです。
堂埜 皆、仲良いです。男性マネジャーを含めて連携を取り、協力をし合いながら、リーグ戦の運営を進めていきたいと思います。
大西 今後、もっと女性部員が(この仕事に)入れやすいように、しっかりと次世代につなげられるような活動をしていきたいです。一人でやるよりも、女性2人がいるのはかなり心強いので、力を合わせて頑張っていきたいなと思います。
佐藤 2026年は明治が当番校ですので、島抜康介主務(3年・日立一高)の負担を少しでも軽減できるように、私たちが最大限、サポートしていきたいと思っています。
取材・文=岡本朋祐