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【大学野球】東京六大学野球連盟「結成100周年記念祝賀会」が開催 伝統を強調するメッセージ

 

100年の歴史の重みを感じる言葉からスタート


出席者は約1300人で、会場内は熱気に包まれた。会場奥の壁には6校の旗と連盟旗が掲示され、壮観であった[写真=田中慎一郎]


 東京六大学野球連盟の結成100周年記念祝賀会が12月7日、東京都内のホテルで行われた。加盟6校の卒業生のほか、球界関係者など約1300人が出席した。冒頭から100年の歴史の重みを感じる言葉からスタートした。

 開会挨拶は東京六大学野球連盟・加藤貴昭理事長(慶大部長)が、100年の歩みを語った。1903年に第1回の早慶戦が挙行も、両校応援の過熱から06年秋の途中に中断。14年から早慶明の三大学リーグ戦、17年に法大、21年に立教が加入したが、早慶戦は行われない変則な状態が続いた。25年秋に東大(当時帝大)が加入し、中断していた早慶戦も19年ぶりに復活、六大学リーグ戦が開始された。戦争の中断を挟み、6校でリーグ戦を展開してきた。

「この奇跡的に集まった6つの大学が、それぞれが独自の理念とポリシーを持っておりますが、互いに尊重し合い、共存共栄の精神で100年という歴史を刻んでまいりました。また、惜しくも本年、ご逝去されました立教大学OBの長嶋茂雄さん(元巨人)をはじめ、さまざまな多くの偉大な先輩方のご尽力がありました。野球殿堂入りの222名中118名が六大学出身者という数は、野球界への貢献を示すものだと思います」

 神宮球場で東京六大学野球の空間をつくり上げる上で、外せないのがスタンドの熱量だ。

「六大学を盛り上げてくれたのはファンの皆さまであり、各大学の応援団、応援部、應援指導部の皆さんでございます。応援は選手のみならず、学生を一つにまとめ、母校の誇りと帰属意識を高め、世代を超えた文化となりました。本年からビデオ検証が導入され、来春からはDH制も実施されます。技術は日々進化しますが、このAI時代の今日であっても野球という人間の営みの本質は変わらない。六大学の伝統と歴史を受け継ぎ、野球を通じて誠実で信頼される組織、連盟として未来の学生野球の先導者としての役割を果たすべく、新たな歴史を担ってまいりたいと思います」

 来賓祝辞も1925年秋から続いてきた六大学の伝統を強調するメッセージが続いた。

「日本の野球文化を、揺るぎないものにした。学生野球の原点は、人を育てるということにあります。次の100年をつくる原動力にもなる」(日本学生野球協会・八田英二会長)

「連盟結成翌年の大正15年(1926年)に明治神宮野球場が開場し、東京六大学リーグ戦の本拠地として、その歩みをともにし、春、秋、神宮の杜にこだまする応援、学生らしい真摯なプレー、それらすべてが球場の歴史として刻まれ『学生野球の聖地』と呼ばれるまでに育んでまいりました。明治神宮野球場は来年、100年の節目を迎えます。これからの新しい100年に向けて、明治神宮野球場は学生たちの夢と努力を見守り続け、学生野球の精神を、未来へとつないでいく所存でございます」(明治神宮・九條道成宮司)

「東京六大学野球連盟は日本の学生スポーツの象徴です。日本のプロ野球は、東京六大学野球連盟の結成から遅れること9年、1934年に誕生しました。以来90年、六大学野球の隆盛に支えられ、発展してきました」(日本野球機構・榊原定征コミッショナー)

神宮で得た学び、戦いの中で得た経験談


 球心会・王貞治代表らの来賓者、各大学の代表者が紹介。六大学のトップ6人(総長、学長、塾長)がそろうというのは、滅多にないことである。それだけ、野球部とは大学の象徴であり、責任が問われる立場で活動しているということだ。その後、壇上では「レジェンドインタビュー」が展開された。テーマは「現役時代の思い出」と「六大学のこれからの100年について」。法大・山中正竹氏、慶大・山下大輔氏、早大・岡田彰布氏、東大・大越健介氏、立大・広池浩司氏、明大・宗山塁氏が登壇し、神宮で得た学び、戦いの中で得た経験談を語った。

 その後は、4年生のプロ・社会人野球継続者のインタビューが行われた。ドラフト指名を受けた明大・小島大河(東海大相模高、西武1位)、法大・松下歩叶(桐蔭学園高、ヤクルト1位)がプロへの抱負を語った。また、大学卒業後は社会人で野球を続ける慶大・外丸東眞(前橋育英高)、東大・杉浦海大(湘南高)、立大・西川侑志(神戸国際大付高)、早大・小澤周平(健大高崎高)が決意を述べた。

 記念DVDが放映され、応援団セレモニーでは各6校が応援歌一番のみを披露。神宮球場と同様の熱狂が会場内に繰り広げられた。六大学と応援団・応援部・應援指導部は一心同体であることが、改めて示されたのだった。

 会場内は約1300人の出席者が、すし詰め状態。大盛況であった。メーン会場だけでは収容し切れず、同フロア内に第二会場も用意されるなど、準備は万全だった。東京六大学というのは大学ごとの先輩・後輩のタテのつながりだけでない。不変のポリシーである「共存共栄」が意味するように、横のつながりも強固である。仲間意識が浸透し、各世代が入り交じる集合体。この日は6校が運命共同体の組織として、旧交を深める場となった。

 100年にわたり、6校が同じ相手と戦ってきた事実は、尊いものがある。約2時間30分の祝宴。お互いの絆を再確認し、家路に就いた。

取材・文=岡本朋祐
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