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衰え知らずの驚異の41歳 寡黙な通算170勝右腕に「名球会入り」期待が

 

先発ローテーションで稼働


41歳だが先発として長いイニングを投げる能力は衰えていない


 楽天に入団が決まった前ヤンキース傘下3Aスクラントンの前田健太が、残り35勝に迫った日米通算200勝を目指すことを明言しているが、この右腕も今オフに契約更改の席で大記録への思いを口にした。現在通算170勝で名球会入りまで残り30勝。「200勝というところを頭の片隅に置きながら、頑張っていきたいなという気持ちが出てきています。どういう形で終わるか分からないですけど、そういう気持ちでやっていきたい」と宣言した。

 年齢と共に衰えが隠せなくなる投手が多い中、41歳右腕、岸孝之は現在も先発ローテーションで投げ続けている。今年はシーズン終盤に勝ち星が伸びなくなったが、19試合登板で6勝6敗、防御率4.38。規定投球回には到達できなかったが、109回を投げた。楽天でチームメートだった田中将大(巨人)が45回、涌井秀章(中日)が63回1/3だったことを考えると、長いイニングを投げる能力は健在だ。

 9度の登板で6イニング以上投げ切り、4度の登板で7イニング以上投げている。6月12日の中日戦(楽天モバイル)で7回3安打無失点の好投。中日戦の通算成績は10勝3敗で、交流戦初の同一カード2ケタ勝利に到達し、歴代5位の交流戦通算25勝目をマークした。4連敗中で5位に低迷していた中、ベテランの快投に楽天ファンは酔いしれた。普段は寡黙な右腕はお立ち台に上がると、「自分のピッチングでとりあえず、チームが勝てるように抑えることと、『こんなもんじゃないぞ、イーグルスは』というところを、みんなで見せていけたらと思います」と力強く宣言した。

代名詞は縦に大きく落ちるカーブ


 細身の体で美しいフォームから投げ込む姿は、若手のときから変わらない。代名詞は縦に大きく落ちるカーブだ。直球と同じ腕の振りで投げ込み、視界から一度消える軌道に打者はタイミングを崩される。110キロ台の緩い球が投球のアクセントになり、140キロ台の直球を球速以上に速く見せる。魔球と形容される球種について、岸は週刊ベースボールのインタビューで語っている。

「覚えたのは小学生のころです。小さいころは桑田さん(桑田真澄、元巨人ほか)、星野さん(星野伸之、元オリックスほか)をよく見ていましたから、その影響で投げようと思いました。僕は昔から美馬(美馬学)のような速いカーブを投げられなかったのですが、大学生(東北学院大)のころは少しスピードがあって、落ちるスライダー(縦スラ)として使えるな、と思っていました。この時期が人生で一番カーブのスピードが速い時期だったんですよね。そんな大学4年生のとき、日米野球でアメリカに行って投げていたら、速さは特に気にしていなかったのですが、そのカーブがとても効いたんです。そのときに『使えるな』と。自信を持った瞬間でした」

来季で楽天10年目


 投げ方に関しては次のように語る。

「ただ、プロ1年目の春季キャンプでコントロールを重視して投げ込みをしていたら、それが根本の原因かどうかは分かりませんが、スピードが出なくなってきたんですよね。そして、今のようなカーブになっていきました。握り方としては、親指と中指を縫い目にかけます。メーカーのロゴマークがあるところに人さし指がくるような感じ。中指はしっかりと縫い目にかけてポンッと抜くイメージです。親指も縫い目にしっかり乗せていますよ。投げるときには手首をひねらないことを意識します。そして、カーブを投げるぞ! という感じで投げると打たれてしまうので、ストレートを投げるような意識で。ここぞの場面ではしっかりと腕を振るようにしています」

 西武で10年間プレーして楽天にFA移籍し、来季で10年目を迎える。地元・仙台出身の右腕は杜の都でまだリーグ優勝の歓喜を味わっていない。新加入の前田と切磋琢磨しながら白星を重ねて頂点へ。高度な投球技術を武器に先発ローテーションで1年間回れば、目標に掲げる通算200勝が見えてくる。

写真=BBM
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