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一軍で今季1試合出場のみも…他球団が絶賛する「巨人の司令塔」は

 

実力者がそろう巨人捕手陣


今季は一軍出場がわずか1試合に終わった山瀬


 来季のV奪回を狙う巨人でポジションが確定しているのは、遊撃の泉口友汰のみ。捕手は岸田行倫甲斐拓也の熾烈な争いが予想される中、他球団の評価が高い選手が若手成長株の山瀬慎之助だ。

 一軍出場はシーズン最終戦の1試合のみだったが、イースタン・リーグでは打率.302をマーク。強肩と正確なコントロール、インサイドワークに定評があったが、課題の打撃でも確実性が上がった。他球団のコーチも「山瀬は球界を代表する捕手になれる素材ですよ」と絶賛するほど。今オフは出場機会を求めて1度目の契約更改で保留したが、2度目の交渉で320万円アップの推定年俸1000万円でサイン。気持ち新たに正捕手奪取を目指す。

 捕手は特殊なポジションだ。1枠しかないためファームで結果を出しても、正捕手がいればなかなか試合に出られない。巨人は岸田、甲斐に加えて強打が持ち味の大城卓三、守備力に定評があるベテランの小林誠司と侍ジャパンでプレーした選手たちがそろっている。この牙城を崩すのは容易ではないが、巡ってきたチャンスをモノにするために力を磨き続けるしかない。

プロの世界で23年間プレー


ドラフト下位入団からはい上がった現役時代のDeNA相川監督


 今年からDeNAの監督に就任した相川亮二監督も、現役時代は下積みの期間が長い捕手だった。ドラフト5位で横浜(現DeNA)に入団したが、東京学館高では強肩を生かすために3年の春に外野手から捕手に転向したため経験が浅かった。

「(捕手歴は)1年どころではないですよ。5カ月くらいかな。だから、プロに入ることは考えてもいなかったんです。高校3年生の時点では、大学で野球を続けたいなと。子どものころからプロの世界は夢には思っていましたけど、現実には考えたこともなくて、『まさか』ですよね。スカウトの方が見に来られているのは分かっていましたけど、本当に指名してくれるかも分からないですし、他人事でした」と驚きを隠せなかったことを、週刊ベースボールのインタビューで明かしている。

 当時の横浜には谷繁元信という絶対的司令塔がいた。高い壁を乗り越えるためにファームで鍛錬の日々を積み重ね、一軍で初めて100試合以上出場したのはプロ10年目の04年。その後に正捕手の座をつかみ、2度のFA移籍でヤクルト、巨人を渡り歩いた。日の丸を背負って五輪に1度、WBCに2度出場し、プロの世界で23年間プレーした。

長けていた自己分析力


 入団当時は「レベルの高さには驚かされました。二軍の選手ですら、『なんだココは』の力の差。本当に自分はやっていけるのか、とショックを受けるくらいでしたね」と自信を失うほどの衝撃を受けたが、なぜ日本球界を代表する捕手になれたのか。以下のように振り返っている。

「自己分析力ですかね。ほかの選手と比較してどうだとか、自分の立場とかを常に理解できていました。その分析能力は今でも自信を持っているもので、現役中は一軍に行くために、一軍で試合に出るために、などと分析し、それをうまく利用して成長できたことが、23年間の現役生活につながったのだと思います」

「(谷繁は)最終的に超えることができなかった大きな存在ですが、近くでプレーを見ることができ、ものすごくよく接してもいただきました。一軍で一緒にやれたのは谷繁さんが中日に移籍する02年までの3シーズンでしたが、その動きをずっと観察していました。リード面、技術を吸収させていただき、自分のキャッチャーとしてのスキルが上がったのは、間違いなく谷繁さんのおかげです。谷繁さんがいなければ、その後の僕はなかったかもしれません」

 偉大な先輩の背中を追いかけ続けたことで、自身のレベルアップにつながった。山瀬も甲斐は自主トレ参加を志願して尊敬する存在だが、正捕手を奪うためには超えなければいけない。来季は高卒7年目。一軍で出場機会を増やすためには、シーズン前から戦いが始まっている。

写真=BBM
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