プロ3年目で自己ワースト

3年目の今季、思うような結果を残せなかった門脇
巨人の戦いを振り返る上で、野手陣の中で最も貢献度が高かったのが、
泉口友汰だろう。
プロ2年目の今季は開幕を二軍で迎えたが、4月4日に一軍昇格すると打撃でアピールする。オフからスイングスピードを上げることに力を入れ、自主トレも志願する形で
岡本和真とともに練習を行い、大きな学びを得た。打球の力強さが格段に上がり、ヒットゾーンに打球が抜けていく。8、9月も月間成績が打率3割を超えて熾烈な首位打者争いを繰り広げた。最終的には
小園海斗(
広島)にあと一歩及ばず、リーグ2位の打率.301だったが自身初の規定打席に到達。154安打を積み上げて出塁率.362をマークし、ベストナインとゴールデン・グラブ賞を受賞。充実のシーズンとなった。
対照的に、泉口から遊撃の定位置を奪われる形になったのが
門脇誠だ。プロ3年目で81試合出場、打率.223はいずれも自己ワースト。今年はバスターをアレンジした新たな打撃フォームに取り組んでいたが、なかなか結果が出ない。5月にはプロ入団後初のファーム降格を経験。すぐに再昇格し、打撃の状態が上がらない
坂本勇人に代わって三塁で起用されたが存在をアピールできなかった。9月中旬に右臀部痛で登録抹消されると、CSに復帰を目指して懸命にリハビリを行ったが間に合わず、シーズンを終えた。
新人時代は華々しい活躍
新人時代の2023年に見せた活躍は強烈だった。身体能力の高さを生かした内野の守備は球際に強く、送球が正確でチームを再三救った。打撃は春先に苦しんだが、気温の上昇と共に快音が聞かれるようになった。シーズン途中に不動の遊撃だった坂本を三塁に押しのける形で、遊撃のスタメンに定着。126試合出場で打率.263、3本塁打、21打点、11盗塁をマーク。オフに背番号が「35」から「5」に変更となった。
昨年から就任した
阿部慎之助監督は就任早々に門脇をレギュラー格と位置づけ、「キャプテンシーがあるし、彼の野球に対する姿勢は素晴らしい。毎日のように早く来て準備してやっている姿を見ていた」と高い評価を口にしていた。期待の若手から、チームの中心選手へ。期待値が上がった昨年だったが、「2年目のジンクス」に直面する形に。相手のマークが厳しくなり、思い描いた結果が出せず、悩むことで持ち味の野性味が失われてしまった。1年目を上回る129試合に出場したが、打率.243、0本塁打、21打点、9盗塁。守備でも遊撃手のリーグワーストとなる14失策を含む計16失策を喫し、つかみかけた遊撃のレギュラーが白紙に戻ることになった。
真価が問われるのはこれから
今年にかけて期する思いは強かった。「守備をもう一度、見直しました。周りと差をつけることができるように。特に意識したのは球際です。去年はことごとく球際で捕球できず、エラーの数が増えてしまったので。その一環として、大学時代にやっていた練習を再開しました。地面にカラーコーンを散らばせて、その上にテニスボールでゴロを打ってもらい、イレギュラーバウンドさせて捕るというものです。大学3年のころ、自分で考えてやっていました。常にイレギュラーしてもいいような状態で待つ意識を養えるので、試合でも効果を感じています。今年から古城(
古城茂幸、内野守備)コーチにお願いして付き合っていただいて、1年間、続けるつもりです」と強調し、打撃もフォーム改造に取り組んだが、攻守で門脇を上回るパフォーマンスを見せた泉口が遊撃で試合に出続けた。
一軍のベンチで戦況を見守るとき、悔しい思いは当然あっただろう。だが、真価が問われるのはこれからだ。今オフは岡本和真がポスティングシステムでメジャー挑戦が決まり、正二塁手の
吉川尚輝も「両側関節鏡視下股関節唇形成術」の手術を受け、リハビリからスタートとなるため来年の開幕に間に合うかは不透明だ。一塁、二塁、三塁と内野の三枠の定位置が固まらない状況で、門脇は首脳陣の信頼を再び取り戻せるか。背番号「5」がグラウンドで躍動する姿をファンは心待ちにしている。
写真=BBM