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巨人から現役ドラフトで日本ハム移籍 「潜在能力の化け物」は新天地で素質開花するか

 

今年は一軍で7試合登板


現役ドラフトで日本ハムへ移籍となった菊地


 日本ハムへの移籍が野球人生を変える転機にできるか。12月9日に開催された現役ドラフトで、菊地大稀巨人から移籍することが決まった。

 身長186センチの長身から投げ下ろす150キロを超える直球、落差の鋭いフォーク、キレ味鋭いスライダーを武器に奪三振能力が高い本格派右腕だ。新人の2022年に支配下昇格して16試合登板すると、翌23年は自己最多の50試合登板で4勝4敗1セーブ11ホールド、防御率3.40をマーク。47回2/3で55三振を奪った。セットアッパーとして順調に階段を駆け上がっていたが、ここから壁にぶつかる。

 昨年は一軍登板なしに終わり、育成から再び支配下に昇格した今季も一軍の救援陣が充実している背景があり、7試合登板にとどまった。だが、ファームではモノが違う素材であることを証明している。イースタン・リーグでは23試合登板で4勝2敗、防御率1.98。救援だけでなく先発でも起用され、他球団から「凄い球を投げる」、「潜在能力の化け物」と評されていた。

 日本ハムは大型右腕の育成に定評がある。若手のホープである達孝太柳川大晟福島蓮、他球団から移籍した田中正義齋藤友貴哉が素質を開花させている。菊地は送球に不安を抱えているが、上記の投手たちも課題を克服して長所を伸ばしている。環境を変えることで能力が引き出される可能性が十分にある。

日本ハム移籍で開花した外野手


巨人から日本ハムに移籍して持ち前の長打力が花開いた大田


 巨人から日本ハムに移籍した選手は多い。その中でブレークした代表格が大田泰示だろう。巨人にドラフト1位で入団した際は背番号「55」を背負い、「松井秀喜2世」と期待されたが一軍に定着できないシーズンが続き、16年オフに日本ハムへトレード移籍。ここから野球人生がガラリと変わった。移籍1年目から外野の定位置をつかみ、19年は「強打の二番」で打率.289、20本塁打、77打点と自己最高の成績をマーク。翌20年は自身初のゴールデン・グラブを受賞した。

 大田は週刊ベースボールのインタビューで、日本ハムでプレーした5年間を以下のように振り返っている。

「そもそも良い結果より失敗が多いスポーツですけど、僕は悪い結果のほうが多かったので(笑)。技術は少なからず上がっていたと思うし、パ・リーグという未知の世界にもう一度ゼロからスタートできると、気持ちが180度変わりました。ジャイアンツは冷静に淡々とゲームに集中して、すべてを集団で完璧な状態にしてこなすイメージ。ファイターズは、個々の色を出しながら一つに集結させていくというイメージなんです。喜怒哀楽がありながら試合をしているというか」

「一番の遥輝(西川遥輝)が出塁する、盗塁する、かえす。一塁に走者がいるなら長打でかえすとか、走者が二塁にいれば進塁打を打つ。(2番打者で)自分の居場所が見えたというか。状況に応じたベストな選択肢や状況判断など広く知れたと思うし、フォアザチームを取り入れながら野球ができた。あの数年間は、大きな財産になっているんです」

同学年と切磋琢磨して


 菊地も日本ハムに移籍することで、巨人とは違う野球観を学べる。これは野球人生の大きなプラスアルファになるだろう。同学年の清宮幸太郎北山亘基山本拓実の存在も刺激になる。特に北山は下克上を見事に体現した向上心の塊だ。プロ入り時はドラフト8位で入団。12球団全体で支配下77人が指名を受けた中でブービーとなる76番目の指名に涙を流し、「8位は今の自分の実力。この瞬間から誰よりも努力して、いずれは日本を代表する投手になりたい」と誓っていたが、有言実行の活躍で日本球界を代表する右腕に。今季は22試合登板で9勝5敗、リーグ2位の防御率1.63をマークした。

 日本ハムは2年連続2位とソフトバンクにあと一歩及ばないシーズンが続き、来年は期する思いが強い。強敵を倒すためのピースへ。菊地にかかる期待は大きい。

写真=BBM
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