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リーグ優勝の原動力も同一リーグで電撃移籍 「辰己涼介に匹敵する外野手」は

 

紆余曲折を経た野球人生


現役ドラフトでソフトバンクから楽天に移籍した佐藤


 楽天に大きな可能性を秘めた即戦力外野手が加入する。現役ドラフトでソフトバンクから獲得した佐藤直樹だ。

 強肩と俊足を生かした外野の守備能力は「辰己涼介(楽天)に匹敵する」と評価が高い。プロ6年目の今季は自己最多の104試合出場で打率.239、5本塁打、18打点、10盗塁をマーク。月間打率を見ると8月は.320、9月も.444と課題の打撃でも奮闘した。

 紆余曲折を経た野球人生は大きな糧になっている。社会人野球のJR西日本からドラフト1位で入団し、1年目の2021年にオープン戦で打率.368、チームトップの5盗塁をマークしたが、新型コロナウイルスの影響で開幕が延期になると、自粛期間中の5月下旬に右肘を故障して離脱。6月下旬に開幕後はウエスタン・リーグで20盗塁をマークして失敗は一つもなく盗塁王を獲得したが、打撃の状態が上がらず一軍出場はなかった。

23年オフに戦力外通告


 佐藤は週刊ベースボールのインタビューで、克服しなければいけない課題について以下のように語っていた。

「その点で言えば、メンタル的な部分でも見直しが必要。気持ちの切り替えが、なかなか難しいと感じています。実はもともとメンタルはそんなに強いほうじゃないんです(苦笑)。負けず嫌いではあるんですが、状態が良くないと悪いほうに、悪いほうに考えてしまう。現に今、二軍で成績が残せていないので、気持ちの切り替えも含めて練習中です」

「バッティングですね。もう、これに関しては、ひたすら練習するしかないと思っています。打撃フォームなども、コーチや先輩方からアドバイスをいただいて、細かい部分ですが変えたり試したりもしていて。1年目なので、今の間にいろいろと、量もこなして、自分に合う形を探している最中。調子は悪いですが、こういうときだから見つけられるものもあるのかなと。前向きにとらえるようにしています」

 2年目以降も一軍で打率が2割を超えないシーズンが続き、23年オフに戦力外通告を受けて育成選手で再契約を結んだ。背水の陣で迎えた昨年は柳田悠岐が故障で離脱したことに伴い、6月1日に支配下昇格。同日の広島戦(みずほPayPayドーム)で即スタメン起用されると、1安打1得点1盗塁の活躍でチームの勝利に貢献した。自身のインスタグラムで感謝の思いを綴っている。

「去年戦力外、育成契約打診を受け色々悩み考えることもありましたが、もう一度野球をできるチャンスを頂いた球団、支えてくれてる人、応援してくれている人達の存在のお陰でまた30番をつけることができたと思います。今日PayPayドームでプレーすることができ、まさかのお立ち台にもたつことができ、たくさんのファンの皆様の前でプレーすることはほんとに幸せと感じ込み上げてくるものがありました」。

俊足は大きなアピールポイント


 今年は出場試合数を大幅に増やし、出塁率と長打率を足し合わせたOPSは.701をマーク。控えの野手としては非常に高い数値で、まだまだ伸びしろがある。これまでは柳田の自主トレに参加していたが、今オフは山川穂高に弟子入りし、11月から共に練習に励んでいた。

 楽天の外野陣は国内FA権を行使した辰己の去就がまだ決まっていない。スイッチヒッターの田中和基をのぞくと、右打ちの外野手はオスカー・ゴンザレス吉野創士、新外国人のカーソン・マッカスカーの3人のみと手薄だ。また、三木肇監督は機動力を重視しており、今年の盗塁数は110盗塁とリーグトップだった。

 佐藤は「走塁する上で大事なのは、思い切っていく勇気。スタメンとかで自分が塁に出て走るってなったらまたちょっと違うんですけど、途中からの場合は試合終盤、大事な場面で走ることを求められていることが多いので、勇気がないといけない。まずはスタートを切る勇気と、その勇気を持つためにピッチャーの特徴をしっかり頭に入れて。あとは状況を把握、整理して行くようにしています」と語っており、俊足は大きなアピールポイントになる。

 ソフトバンクは現役ドラフトで他球団に移籍した大竹耕太郎(阪神)、水谷瞬(日本ハム)が主力として活躍している。佐藤も杜の都で大輪の花を咲かせられるか。

写真=BBM
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