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日本ハムに電撃復帰の有原航平 球界屈指の稼働力で「打倒ソフトバンク」のキーマンに

 

2年連続最多勝右腕


アメリカから帰国後はソフトバンクでプレーしていたが、今年は6年ぶりに古巣・日本ハムに復帰する有原


 日本ハムがソフトバンクから自由契約となった有原航平と入団合意に達したことを昨年12月28日に発表した。メジャー移籍を模索してソフトバンクを自由契約となったが、日本ハム、巨人が獲得に乗り出したほか、ソフトバンクが好条件で慰留に全力を注いでいた。その中で、有原が決断した道は6年ぶりとなる古巣・日本ハムへの復帰だった。

 先発投手として総合力が非常に高い。日本ハムでは2015年から6年間プレーし、19年に自己最多の15勝を挙げて最多勝に輝くなど2ケタ勝利を3度マーク。メジャー挑戦後、23年にソフトバンクに入団すると移籍1年目から3年連続2ケタ勝利を飾り、一昨年と昨年は2年連続最多勝に輝いた。

 150キロを超える直球を武器に力でねじ伏せる投手が増えている中、有原は多彩な変化球を駆使して打者を打ち取る。打者の手元から消える軌道のチェンジアップ、右打者の懐をえぐるツーシーム、落差の大きいフォーク、左打者の内角に食い込むカットボールとすべてが一級品だ。大きな故障なく、先発ローテーションで稼働し続けることは首脳陣にとって心強い。一昨年はリーグ最多の182回2/3、昨年も175回を投げている。

チェンジアップ主体の投球


 有原は早大のエースとして東京六大学リーグ通算19勝をマークし、ドラフト1位で4球団が競合している。剛速球が武器と評されていたが、本人の認識は異なった。当たりクジを引いた日本ハムに入団が決まった際、週刊ベースボールのインタビューで自身のセールスポイントを聞かれて、「コントロールです。自分は球速が取り上げられることが多いんですけど、自分では速球よりは変化球のコンビネーションで打ち取るタイプだと思っています。そういう練習を早大でやってきたので、それを今後プロでも続けていきたいです」と語っている。

 変化球で一番自信がある球種については、チェンジアップを挙げ、「大学時代はキャッチャーに全部任せていました。自分が特にこう使いたいということはなかったです。バッテリーを組んでいた相手は3年のときから正捕手だったので、そのころから任せていました。カウントを取るのも、決め球にも万遍なく使っています」と明かしている。

 経験を積み、10年の月日が経った現在も投球スタイルの土台は変わっていない。昨年は球種別でチェンジアップの配球が最も多く、走者を得点圏に背負っても決定打を許さずにきっちり試合を作った。2年連続開幕投手を務め、相手球団のエースと投げ合うことが多い中で26試合登板し、14勝9敗、防御率3.03は立派な数字だ。

リーグの勢力図を変える存在


 日本ハムにとって、有原獲得は大きな意味を持つ。新庄剛志監督が就任した22年以降、チームの土台作りから着手して若手の育成、他球団で伸び悩んでいた選手の素質を開花させるなど着実にレベルアップしてきた。2年連続最下位から一昨年は2位にジャンプアップ。V奪回が現実的な目標になった昨年はソフトバンクと熾烈な優勝争いを繰り広げたが、あと一歩及ばなかった。その中で宿敵の主戦投手として立ちはだかった有原が復帰する。経験豊富な右腕が、エースの伊藤大海と共に先発陣の柱となって白星を積み重ねれば、打倒・ソフトバンクが見えてくる。

 1人の主力選手の移籍がリーグの勢力図を変えることは過去に何度もあった。丸佳浩広島時代の16年から球団史上初のリーグ3連覇に大きく貢献。18年オフに巨人にFA移籍すると19、20年とリーグ連覇の原動力となり、「ひとり5連覇」を達成した。丸は巨人移籍が決まって当時巨人のエースだった菅野智之と対談した際に、「決断を下すその瞬間まで、本当に悩んだね」と胸中を明かした上で、「ジャイアンツに移籍することを決めたのは、原(原辰徳)監督や球団から自分を必要としてくれているという熱意をものすごく感じたし、(千葉出身で)子どものころから『プロ野球といえば東京ドーム』で、そういったあこがれ、夢も最後の決め手。今はもう、やってやるぞという前向きな気持ちになっているよ」と新天地での思いを口にしている。

 移籍した選手にしか分からない大きな重圧があることは間違いない。有原についても大きな期待がかかるが、幾多の試練を乗り越えてきた。「北の大地のエース」が再び日本ハムのユニフォームを身にまとう。10年ぶりのリーグ優勝に向け、準備は整った。

写真=BBM
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