すべての役割で実績

昨年はクローザーを務め、最多セーブのタイトルを獲得した平良
侍ジャパンの
井端弘和監督が3月に開催されるWBCに出場するメンバーを、12月26日に先行発表した。
大谷翔平(ドジャース)、
菊池雄星(エンゼルス)、
松井裕樹(パドレス)らメジャー・リーガーが選出される中、
平良海馬(
西武)も初選出された。
先発、セットアッパー、抑え。すべての役割でこれだけの実績を残している現役の投手はなかなかいない。
西口文也監督の構想で守護神に抜擢された昨年は54試合登板で4勝2敗31セーブ8ホールド、防御率1.71をマーク。自身初となる最多セーブ投手のタイトルを獲得した。
今井達也、
高橋光成が今オフにポスティングシステムを利用してメジャー挑戦を決断したが、平良もメジャー球団の評価が高い。平均球速153キロの直球にカットボール、2種類のスライダー、チェンジアップ、スプリット、ツーシームと多彩な変化球を操り、打者からすると攻略が非常に難しい。
「半分、見えている感じ」
ただ、本人に満足感はない。今年6月に週刊ベースボールのインタビューに応じた際、「もっと平均球速が上がれば、僕ももう少しストレートの投球割合が増える。そうなれば簡単にファウルや空振りを取ることもできますし、そうしていきたいなとは思います。ずっと、球速を上げることを目標にして練習していますし、バイオメカニクスによって状態の把握と今後どうしていくかという作戦をしっかり立てています。やり方は分かっているので、あとは練習したことが、どう実戦で出るかというところですね。理想は9月とかシーズン終盤にはすべてが合致した状態になればいいと思います」と直球の球速を挙げることをテーマに挙げていた。
平良は球速170キロを目標として掲げている。
「普通に考えたらまず無理だと思うんですけど、意外とボールにどれくらいのエネルギーを乗せれば170キロを実現するかというところから逆算すると可能性はあります。ネクストベースで計測しているんですけど、そこではエネルギーがどれくらいボールに伝わっているとかが表記されるので見て分かる。そこでクリアしている項目がいくつかあるんです。クリアしていない項目に関しては、引き続きトレーニングやドリルで体にしみ込ませ、あとはクリアしている項目を維持できれば別に不可能ではない、と。だから、170キロは見えていることは見えている。半分、見えている感じですね」
「僕は身長が低いので高い選手と比べると位置エネルギーが下がると思うんで、そこをカバーしたい。だから背が低い分、体重を増やしながら体脂肪をしっかり減らして、重く速く並進運動ができるように。横方向に重心を移動することを速くした中で、左足でしっかりブロッキングをかけて上半身、体幹を走らせるということが必要になると思います」
高い向上心で磨いた技術
高い向上心で常に技術を磨いてきた。高卒3年目の2020年にリーグトップの54試合に登板して33ホールドをマーク。新人王を受賞すると、21年は62試合登板で20セーブ21ホールド、防御率0.90と驚異の安定感を誇った。22年は61試合登板で9セーブ35ホールドポイントを挙げ最優秀中継ぎ投手に輝き、先発転向した23年は23試合登板で150イニングを投げ、11勝を挙げた。
抑えを経て、今年は再び先発に配置転換される。同学年の左腕・
隅田知一郎とともにエースとして期待される中、
リバン・モイネロ(
ソフトバンク)、
伊藤大海、
有原航平(ともに
日本ハム)など他球団のエースたちを超える成績を残せるか。3年連続Bクラスに低迷した西武はFAで
桑原将志、
石井一成、新外国人で右腕のアラン・ワイナンス、長距離砲のアレクサンダー・カナリオ、台湾屈指の強打者で知られる林安可を獲得するなど積極的な補強が目立つが、現有戦力の奮起が不可欠だ。WBCで大会連覇、西武で頂点を目指すために平良のパフォーマンスがカギを握る。
写真=BBM