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昨年12試合登板で防御率0.00 阪神で輝き取り戻した「元巨人右腕」は

 

野球人生の大きな転機


移籍1年目の昨季、12試合の登板に終わった畠


 環境を変えることが、野球人生の大きな転機となった。巨人から阪神に移籍した畠世周だ。

 現役ドラフトで移籍が発表されたのが2024年12月。右中指のコンディション不良で出遅れたが、リハビリ期間中にボールに力が伝わるようにフォーム修正を続けたことで直球の球威が増した。9月3日の中日戦(バンテリン)で移籍後初登板を飾ると、12試合連続無失点。結果を出すことで首脳陣の信頼を勝ち取り、CSファイナルステージで登板した。ソフトバンクと対戦した日本シリーズでは第4戦の5回に先発の高橋遥人が打球を受けるアクシデントで降板すると、二番手で緊急登板。一死満塁のピンチを最少失点で切り抜けた。移籍1年目を振り返り、「甲子園は投手有利な球場。自分もフライピッチャーなので生かすことができた」と大きな手ごたえをつかんだ。

 ドラフト2位で入団した巨人では、新人の17年に13試合登板で6勝4敗、防御率2.99をマーク。球団OBの堀内恒夫氏は「ルーキーだった昨年にブレークして、今季さらに期待がふくらむ畠世周だ。昨年、シーズン途中から一軍に上がると、あれよ、あれよという間に6勝した。勢いのあるストレートに加え、スライダー、落ちる球などの変化球も豊富だ。今季、さらに成長が見込めるかもしれない。畠が菅野智之(現オリオールズFA)、田口麗斗(現ヤクルト)に続いて3人目の先発を任される投手になれば、巨人の優勝の目も出てくる」と期待を込めていたが、2年目は春季キャンプに腰痛を発症した。一軍復帰は9月にずれ込み、9試合登板にとどまった。

ファームで見せていた格の違い


2024年までの8年間は巨人でプレーした


「将来のエース」と嘱望されたが、その後も度重なる故障に見舞われた。21年に主に救援で自己最多の52試合に登板し、4勝3敗1セーブ11ホールド、防御率3.07と復活の兆しを見せたが、翌22年以降は登板機会が減少。23年3月に右肘関節鏡視下クリーニングの手術を受けた影響で一軍登板なしに終わり、24年も1試合登板のみ。ライバル球団の阪神に現役ドラフトで移籍することが決まった。

 野球評論家の伊原春樹氏は、阪神入団が決まった畠に期待を込めていた。週刊ベースボールのコラムで以下のように語っていた。

「ファームでは格の違いを見せていた。イースタン・リーグで37試合に登板し、2勝1敗2セーブ、防御率1.41をマーク。1イニングあたりにどれくらいの走者を許したかの指標となるWHIPは0.76と抜群の安定感を示していた。最速156キロの直球は力強さがあり、スライダー、カットボール、カーブ、フォーク、チェンジアップと変化球は多彩。先発、中継ぎのどちらも対応できるだろう。阪神は非常にいい補強をしたと感じた」

同僚に刺激を受けて


 同じく現役ドラフトでソフトバンクから阪神に移籍した大竹耕太郎は2年連続2ケタ勝利をマークするなど、移籍後の3年間で計42勝をマーク。阪神OBの能見篤史氏は「新天地でもちろん移籍先で全員が成功するわけではありませんが、ほかのチームに行って、それまでとは違う経験をしたり新しい何かを学ぶことは、“人生”を考えたときにはプラスになることのほうが多い。僕も、現役ドラフトではありませんが、阪神からオリックスに移籍して得たものは非常に大きかったですから。今後も続けていってほしい制度です」と現役ドラフトの意義を強調している。

 畠は新天地で後輩たちの活躍が大きな刺激になっただろう。同じ右腕の石井大智は日本記録の50試合連続無失点を達成。及川雅貴は66試合登板で防御率0.87、リーグトップタイの46ホールドをマークした。湯浅京己も国指定の難病である胸椎黄色靱帯骨化症からリハビリを経て、4勝4敗22ホールドと復活。救援陣のチーム防御率1.96はリーグ断トツトップだった。ハイレベルな競争の中で、畠が今年は春先から一軍に定着して稼働すれば大きな価値がある。31歳右腕の全盛期はこれからだ。

写真=BBM
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