旧交を温めた2時間

東京六大学同窓会で再会し、旧交を温めた元プロ3人。左から早大OB・三澤[元巨人ほか]、法大OB・副島[元ヤクルトほか]、明大OB・橿渕氏[元ヤクルト][写真=BBM]
平成9年卒東京六大学野球部・応援団・応援部・應援指導部合同同窓会が1月18日、東京都内のホテルで開催された。1996年に最上級生だった各校のOB・OG72人が集まった。北は北海道、南は福岡、さらには、アメリカからの出席者もあった。大学卒業から30年の節目。約2時間、旧交を温めた。
東京六大学野球連盟結成100周年の2025年秋、明大は96年秋以来、29年ぶり2度目(リーグ史上6度目、複数回は初)となる10戦全勝優勝を遂げた。当時、明大の主将を務めたのは橿渕聡氏(元ヤクルト、現ヤクルト編成部ディレクター)だ。
「言うまでもなく、六大学は100年もの間、ずっと同じ学校で対抗戦を続けてきた歴史があります。諸先輩方が努力し、つながれてきた伝統があったからこそ、私たちも在学中に神宮球場で4年間プレーでき、こうして今回『六大学』の同級生として再会できました。応援団を含め、ありがたい交流の場でした」
法大在学中、3年時に大学日本一、3度のリーグ優勝、2度のベストナインを受賞した
副島孔太氏(元ヤクルトほか、現・GXAスカイホークス監督)も感慨深い様子で語った。
「東京六大学野球を通じて、大学4年間、同じ時間を共有し、対戦した当時の仲間と30年ぶりに接することができ、感謝しかありません。大学卒業後はさまざまな業界で活躍され、良い年齢の重ね方をしているな、と。また、どこかの機会で再会したいですし、皆さんが幸せな人生を歩んでほしいと思います」
早大で六大学通算31勝、歴代3位の402奪三振をマークした
三澤興一氏(元巨人ほか、現・巨人国際部長)は終始、笑顔で各校のメンバーたちと話が弾んでいた。
「こうした同窓会に来ると、いつも『お前から打ったよ!!』みたいな話題になるんですが、対戦した5大学の打者はそう思っている人がたくさんいるんだろうな、と見ていました(苦笑)。久しぶりに仲間と会い、それぞれが違う世界で頑張っている姿を見て、自分自身もこれからの仕事に向けての大きな刺激になりました。明日以降の活力になり、より頑張っていこうと思う充実の1日となりました」
野球の素晴らしさを伝承

1996年に慶應義塾体育会野球部で主将を務めた加藤貴昭氏があいさつした。現在は同野球部の部長を務めている[写真=BBM]
慶大の主将は現在、慶應義塾体育会野球部の部長の加藤貴昭氏(慶大環境情報学部教授)。連盟結成100周年の昨年は慶大が当番校(6校の輪番制)で、連盟理事長を務めた(1996年は明大)。現役時代は左の強打捕手として活躍し、卒業後は渡米し、カブス傘下でプレーした実績もある。現在は連盟役員(理事)として、リーグ運営に尽力する立場にある。
「現役の学生たちにいろいろと叱咤激励をしていただき『本当に野球っていいんだよ』ということをどんどん広めていただければなと思っております。昨年、連盟は結成100周年だったんですけど、これからの100年、さらに六大学を盛り上げていきたいと思います。皆さんのご協力のほどよろしくお願いいたします」
縦のつながりが強固に

6校の応援団・応援部・應援指導部が伝統の応援歌を披露した。写真は東京大学運動会応援部。壇上後方では野球部OBが手拍子した[写真=BBM]
神宮の空間がつくられるのは、野球部のプレーを支える応援団・応援部・應援指導部の活動がなくしてあり得ない。2つの組織は一心同体、運命共同体。東京六大学応援団連盟にも当番校制がある(1996年は早大)。2026年で第73回を数える年1度のメーンイベント「六旗の下に」にならい立大、法大、慶大、明大、東大、早大の順に応援歌を披露。この日は東京大学運動会応援部・伊達聖伸部長(東大大学院 総合文化研究科 地域文化研究専攻教授)も出席し、応援歌『闘魂は』を堂々とリードした。
今回は企画段階から当日の運営まで、6校の野球部マネジャーと応援団・応援部・應援指導部の幹部らの有志により進められた。
最後に発起人を代表して、法政大学応援団で団長を務めた今津寛史氏(北海道議会議員)があいさつした。
「神宮卒業30年ということで今回、野球部の皆さん、応援団ではリーダー部、吹奏楽部、チアリーディング部を問わずということで、70人を超えるメンバーが集まることができました。素晴らしいことであると思います。卒業後、さまざまな会合がありますが、これだけ六大学が一緒になってやる同窓会というのはないと思うんです。我々はライバルであり、本当に励まし合う関係であるなと思います。我々は在学当時、自分たちのためだけに野球をやっていたわけではなく、自分たちのためだけに応援したわけでもなく、六大学という文化を継承していた。4年間、そういった自負を下に、これからの人生しっかりとつないでいただき、先輩に感謝するとともに、後輩に対してしっかりと支援をしていかなければいけない。そういう思いを、固めた次第であります。同じ意識で大学4年間、神宮球場で汗を流した我々同志として、今後もしっかり活躍をしていただきたいと思います」
既存としてあった「横」のつながりだけでなく、「縦」の関係性も強固となった。この日、出席した72人だけではなく、足を運べなかった同級生にも、その熱い思いは共有された。
取材・文=岡本朋祐