攻守にソツがないスタイル
DeNAに新たな風を吹き込んでいるのが、新外国人のクーパー・ヒュンメルだ。春季キャンプでは逆方向に飛距離が伸び、外野の守備でも強肩を披露。他球団のスコアラーは「今までDeNAにいなかったタイプの選手。スイッチヒッターでパワーがあるし、攻守にソツがない。
桑原将志がFAで
西武に移籍しましたが、チャンスメーカーとして稼働したら厄介です」と警戒を口にする。
メジャー通算では119試合で打率.163、6本塁打、24打点。目立った活躍ができなかったが、昨年3Aでは44試合出場で打率.297、13本塁打をマークしている。通算でも374試合に出場して打率.286、49本塁打。選球眼の良さに定評があり、出塁率.422を記録している。日本でプレーする助っ人外国人はパワーヒッターのイメージが強いが、ヒュンメルはその枠組みに収まらない。捕手としてドラフトで指名され、メジャー1年目は18試合に捕手で出場している。その後は外野が本職となり、両打ちで力強い打球を飛ばす。
日本球界で活躍した助っ人外国人の中に、スイッチヒッターで活躍した強打者たちがいる。
フェルナンド・セギノール(元
日本ハムほか)、
オレステス・デストラーデ(元西武)は代表格と言える。ともに恵まれた体格からアーチを量産する長距離砲として活躍したが、ヒュンメルは身長175センチと決して大きくない。ミート力と長打力を兼ね備えた中距離打者のタイプだ。
打順は何番を任せられるか?
日本とは不思議な縁で結ばれている。父親の仕事の関係で8歳から都内の代官山で2年間暮らし、武蔵府中のリトルリーグでプレーした。「いつか日本に戻ってきて。プロ野球選手としてプレーしたいという思いがありました。日本に戻ってこられて本当にうれしいです」と入団会見で特別な思いを口にしていた。
相川亮二新監督が就任したDeNAは打線の並びがガラッと変わる可能性がある。相川監督は一番・
牧秀悟、二番・
筒香嘉智を据えるプランを明かしている。ヒュンメルはクリーンアップを担う可能性が考えられる。チャンスを作るだけでなく、ポイントゲッターとして稼働すれば得点力がグッと上がる。
印象深いDeNA助っ人

ロペスは巨人、DeNAで8年間プレーして通算1001安打をマークしている
DeNAは
タイラー・オースティン、
ネフタリ・ソト(現
ロッテ)、
ホセ・ロペスなど中軸で活躍した優良助っ人が多い。特にメジャーで1005安打、NPBで1001安打を放ったロペスは印象深い。巨人で2年プレーして、15年からDeNAに加入すると6年間プレー。17年に打率.301、30本塁打、105打点で打点王、最多安打(171本)のタイトルを獲得している。
一塁の守備でもゴールデン・グラブ賞を外国人最多の5度受賞。当時の
永池恭男内野守備走塁コーチ(現DeNAアマスカウト)は「ソトがセカンドでノックを受けているとき、いつもソトの後ろにいて積極的にアドバイスをしてくれています。ノックが終わってから僕が通訳を介して言うよりも、ロペスさんが直接言ってくれたほうが正確なニュアンスで伝わるはず。だからすごく助かってますね。内野守備コーチがもう一人いる。僕はそう思ってます」と週刊ベースボールの取材で絶大な信頼を語っていた。
日本に適応しようとする姿勢もナインの心を揺さぶった。チームメートだった
大和は「日本語が難しいだとか、日本の食事はどうとか、そういう話の流れでチャモ(ロペス)が言ったんです。『おれたちはこっちに野球をしに来てる。もちろん、合う合わないはあるよ。だけど、私生活の部分も含めてすべてこっちに合わせなきゃいけないんだ』って。それを聞いて『そこまでしてるんだな』って、ちょっと衝撃を受けました」と明かしている。
ヒュンメルも日本の野球に溶け込もうとする姿が見られる。春季キャンプ中は主将の筒香や他の選手と積極的にコミュニケーションを取る姿が見られ、相川監督とキャッチボールした際は終了後にお辞儀で礼をするなど、指揮官に日本式の流儀で感謝の思いを伝えた。大好きな日本で、新たな挑戦が始まる。
写真=BBM