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「高橋遥人と重なる快速球」 他球団が「ドラ1レベル」と評する巨人の左腕は

 

小気味のいい投げっぷり


ドラフト3位で巨人に入団した山城。開幕から一軍で思い描いた投球ができるか


 糸を引くような軌道の直球が捕手のミットに突き刺さる。大きな可能性を抱かせる左腕が巨人のドラフト3位・山城京平だ。2月23日のオープン戦・楽天戦(那覇)で2回2/3を無安打無失点の快投。左足がつったため3イニングを投げ切れなかったが、3三振を奪った。2020年にア・リーグ本塁打王に輝いているルーク・ボイトをすべて直球で3球三振に仕留めるなど投球内容も圧巻だった。他球団のスコアラーは「直球の質が阪神高橋遥人に似ている。最速150キロでしたが、打者の反応を見るともっと速く感じているでしょう。スケールが大きい投げっぷりで、ドラフト1位で指名された投手たちと遜色ない能力です」と警戒を強めた。

 トルネード投法からしなやかな腕の振りで繰り出される直球は球威十分。変化球もツーシーム、カットボール、スライダー、カーブ、チェンジアップと多彩だ。興南高で2学年上だった宮城大弥(オリックス)が憧れの投手で現在も背中を追い続ける。宮城は身長171cmだが、山城も身長174cmと決して恵まれた体格ではない。同じ左腕でスリークォーターから小気味のいい投げっぷりが重なる。

 亜大進学後は3年秋には東都リーグ戦で初勝利を含む2勝を挙げると、4年春に7試合登板で2勝0敗、防御率1.39をマークして最優秀防御率を受賞。「大学最後の年、絶対タイトルを獲ろうという気持ちでリーグ戦に臨みました。最優秀防御率を獲れたことはこれからの自分にとって大きなきっかけになると思います。昨年までは『プロへ行けたらいいな』というぐらいの気持ちでしたが、今はドラフト上位指名でプロへ行きたいと思っています」と週刊ベースボールの取材で語っていた。

独特の回転をするストレート


 最速154キロの直球は常時毎分2500弱の回転数でホップ成分が高い。打者は直球と分かっていても差し込まれる。4年春の投球を見ると直球の質が際立っていた。「スピードについてはまったく意識していません。真っすぐの質にこだわった結果、154キロが出たので。もっと回転数にこだわってやっていきたいと思っています。自分の真っすぐはシュート回転しながら伸びていく、独特の回転をするので、そこを意識しています」と明かしていた。

 4年夏に侍ジャパン大学代表に選ばれると日米大学選手権優勝に貢献。同世代のトップレベルの選手とチームメートになり、「すごいなぁと思ったのは早大の伊藤樹(現楽天)と東北福祉大の櫻井頼之介(現中日)。伊藤君は自分の空間みたいなのを持っていて、ピッチングの再現性がすごかった。櫻井君はキャッチボールを一緒にやったんですけど、見たことないようなボールを投げていました。真っすぐにしても変化球にしても、強さも回転もすごかったです」と刺激を受けていた。

大きく飛躍する可能性


 ドラフト1位候補と目されていた中、4年秋のリーグ戦は5試合登板で0勝2敗、防御率3.20と思い描いた投球ができなかった。山城の課題は制球力だ。リーグ戦通算112イニングを投げて97三振を奪っているが、82四球を与えている。ストライクゾーンにどんどん投げ込んだ時は相手を圧倒する一方で、制球が定まらずに四球で走者をためて痛打を浴びるケースが散見された。

 ドラフト3位で指名されたのも、制球力で評価を落とした部分があっただろう。裏を返せば、良い球を投げる再現性を高めたときに大きく飛躍する可能性を秘めている。亜大の先輩の高橋遥人も大学時代は制球力が課題で安定した成績を残せなかったが、阪神入団後は大幅に改善。度重なる故障が影響して規定投球回に到達したシーズンはないが、キレの良い直球、スライダーを武器に2度のリーグ優勝に貢献している。

 山城が着ける背番号「36」は、かつて左腕エースとして活躍した高橋尚成氏が入団時につけていた番号だった。即戦力左腕としてドラフト1位左腕・竹丸和幸の注目度が高いが、山城もV奪回のシンデレラボーイになれるか。

写真=BBM
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