1個1個積み上げて

韓国戦で9回のマウンドに立ち、見事にゼロに封じた大勢[写真=兼村竜介]
【WBC 1次ラウンドC組】
3月7日 東京ドーム
日本8対6韓国
4回までに両軍合わせて5本塁打が飛び出す乱打戦となった一戦、侍ジャパンは5対5の同点で迎えた7回に二死満塁から
鈴木誠也が押し出し四球を選び勝ち越し点を奪う。さらに
吉田正尚の中前適時打が飛び出して2点を追加して8対5と3点リードを奪った。しかし、8回のマウンドを託された
松本裕樹が二死一、二塁から中前適時打を浴び1失点。2点差に追い上げられるなど、落ち着かない試合展開で9回のマウンドに上がったのは大勢だった。
1年目から
巨人でクローザーを任されていたが、4年目の昨季は“セーブ王”
ライデル・マルティネスの加入もあり、セットアッパーに転向。大会前には「まずは任された仕事、求められた仕事をしっかりとできるようにすることが第一」と語り、さらに「その上で、ファンを魅了できるような、相手を圧倒する投球をして、チームに流れを持ってくることができればいいですね。もちろん、どんな場面で投げることになるかは分からないですけど、あとになって振り返ったときに『あそこの場面をしっかり抑えてくれたから勝てたよね』とか、『意外にあの場面の投球が大きかったよね』とファンの皆さんに思ってもらえるような、そういう投球をしたいなと思います」と決意を口にしていた。
この日もマウンドで堂々と腕を振った。
能見篤史投手コーチは「横からのリリースなので、ほかの投手とはまったくタイプが異なりますし、ボールの軌道も違う。その意味で相手の目先を変えられますし、もちろんボールも速い」と大勢のスト
ロングポイントを挙げていたが、一番から始まった韓国打線を相手に臆せずボールを投げ込む。センター・
周東佑京のファインプレーもあったが、3人で片付けてチームの連勝を呼び込んだ。
リリーフとしてメンバーに選ばれていた
平良海馬、
石井大智、
松井裕樹がケガで出場辞退。チームにはリリーフを専門職とする投手が少ないのが現状だが、それだけに大勢の存在は頼もしい。
「(前回大会決勝の)最終回のマウンドで大谷さん(
大谷翔平)が投げて、バッターが同じエンゼルスの
マイク・トラウト選手で、まるでアニメのような世界でしたからね。それを当事者の1人としてベンチから見ていて、球場の雰囲気も素晴らしくて、本当にすべてがドラマみたいな瞬間でした。きっと今回も結果的に同じような瞬間が訪れるはずですし、きっとそうなると思うので、その瞬間をもう一度味わうためにも、自分が任されたところで1個1個、しっかりと積み上げていきたいです」
今大会で歓喜の瞬間、きっとマウンド上に大勢の姿があるはずだ。