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【大学野球】強肩捕手の早大・大越塁はなぜ「WASEDA」への愛校心が強いのか

 

指揮官が感心したプレー


頭脳派であり遠投110メートルの強肩。捕手としてのポテンシャルに長けている[写真=BBM]


 早稲田大学野球部は2月23日からアメリカ遠征を実施し、7日に帰国。羽田空港から那覇空港へ移動し、20日まで浦添でキャンプを張っている。4月11日に開幕(早大は18日の東大戦が開幕カード)する東京六大学リーグ戦に向けて、調整も本格化していく。

 この春の正捕手候補は2022年夏の甲子園で全国制覇、23年夏は準優勝を経験した尾形樹人(3年・仙台育英高)である。小宮山悟監督は司令塔として全幅の信頼を寄せているが、アクシデントも想定しておかなければいけない。

「すべての面で尾形さんに劣っていますが、何が起こるか分かりません。チームに欠かせない戦力になれるよう、しっかり準備したい」

 堂々と語るのは2年生捕手・大越塁(2年・東筑高)である。約30人に厳選されたアメリカ遠征のメンバーに抜てきされた。小宮山監督は「打つほうは、目をつぶっている」と、バックアップ要員として、ディフェンス面を評価していたが3月12日、福岡工大とのオープン戦では良い意味で期待を裏切った。

 八番・捕手で先発。アメリカ遠征でのオープン戦に続き、2試合目のスターティングメンバーに「緊張しました」と振り返ったが、背番号32を着けたプレーは堂々としていた。

 第1打席で中前打、第2打席では左中間二塁打を放ち、バットで猛アピール。遠投110メートル、二塁送球1.8秒の強肩を生かした持ち前の守りでは、二塁盗塁を阻止するなど、安定感あるプレーを披露。いつもは手厳しい小宮山監督も「感心した」と、目尻を下げた。

自分は自分の意志の強さ


福岡工大とのオープン戦では八番・捕手で先発出場。一軍では2度目のスタメンで躍動した[写真=BBM]


 東筑高出身の兄・怜さんは立大の右投手として22年から25年まで在籍し、通算3勝を挙げた。弟はタテジマではなく、エンジを志望した。「昔から早稲田で野球をやりたいと思っていました」。中学時代の評定はオール5。大学進学を見据えて、公立校で、なおかつ、甲子園も目指す上で東筑高に進学した。

 中学まではチーム事情で投手をメーンに内野手だったが、高校入学後に捕手に転向した。「もともとキャッチャーが好きでした」。2年夏、正捕手として福岡大会準優勝が最高成績。3年間で甲子園の土を踏むことはできなかった。部活動だけでなく、勉強にも力を入れ、県内屈指の進学校で成績上位をキープし、指定校推薦で早大人間科学部に入学した。

 1年秋のフレッシュトーナメント(2年生以下でチーム編成)でべンチ入り。3試合、フルイニングで尾形がマスクをかぶり、捕手としての出番はなかったが、東大との3、4位決定戦では「七番・DH」で出場し(2打数無安打)、憧れの神宮で貴重な経験を積んだ。

 父・基さんはダイエーでプレーし、早鞆高(山口)の監督として、12年春のセンバツ甲子園へ導き、25年からはソフトバンクの四軍監督を務めている。仙台育英高(宮城)では右腕エースとして、1989年夏の甲子園準優勝投手。早大へ進学し、1年春のリーグ戦優勝に貢献し、早慶戦で胴上げ投手に輝いたが、その後、野球部を退部(大学中退)している。

 次男はなぜ、早大を志したのか。

「よく言われるんですけど、自分は自分なので……(苦笑)。大学としても素晴らしく、伝統のある早稲田大学野球部に憧れました」

 自信があるのは、鉄壁のディフェンス力。「チームの勝利に貢献できるように、神宮で結果を残せるように練習したい」。いつもユニフォームは泥だらけ。献身的な大越が早稲田大学野球部の屋台骨となりそうな気がする。

取材・文=岡本朋祐
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