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他球団から「巨人時代とは別人」と驚きの声 覚醒期待されるスラッガーは

 

固まった目指す方向性


オープン戦で長打力を発揮している秋広。スタメンの座をつかむことができるか


 古巣相手に強烈な一撃を放った。ソフトバンク秋広優人が3月11日のオープン戦・巨人戦(みずほPayPay)で初回に新外国人右腕のフォレスト・ウィットリーの151キロ直球を振り抜くと、弾丸ライナーは右翼のテラス席へ。12球団トップタイの3号満塁アーチを放った。長打力でスタンドをわかせると、柔らかい打撃でも魅せた。6回二死一、三塁の好機で戸郷翔征の外角低めに落ちるフォークをすくい上げて左翼に落とす適時打。猛打賞、5打点の大暴れで定位置獲りに向けてアピールした。

 オープン戦の打撃を見ると、自身の目指す方向性が固まったように見える。3月1日の西武戦(アイビー)で、5回に菅井信也の146キロ直球を完ぺきにとらえ、右翼後方に消える場外アーチ。5日のヤクルト戦(みずほPayPay)では2回に吉村貢司郎の内角に食い込むスライダーを右翼ポール際のスタンドに運ぶ技ありの2号ソロを放った。すり足だった昨年の打法から右足を少し上げる形に変更し、明らかに打球の力強さが増している。他球団のスコアラーは「巨人の良いときに戻ったというイメージではなく、別人のようになっている。もともとパワーはある選手なので飛ばすコツをつかむと厄介です」と警戒を口にする。

優勝争いで戦力になれず


 巨人で高卒3年目の2023年に121試合出場し、打率.273、10本塁打、41打点をマーク。身長201センチと規格外の体格で将来の長距離砲として期待されたが、柔らかい打撃を身上としていただけに、目指す打席の方向性に迷いが生じていた。24年は26試合出場で打率.261、0本塁打、1打点と精彩を欠き、昨年5月にリチャードとの交換トレードで大江竜聖とともにソフトバンクへ。新天地に加入直後は一軍で起用され、3試合連続お立ち台にのぼる活躍をしたが輝きを持続できなかった。7月上旬に降格すると、シーズンが佳境に入った時期の優勝争いやポストシーズンの戦力にはなれず。チームはリーグ連覇、5年ぶりの日本一に輝いたが、秋広の胸中は複雑だっただろう。

 転機は本塁打王に4度輝いた実績を持つ山川穂高に自主トレで弟子入りしたことだった。「どちらかというと(山川は)感覚の人なのかなという勝手な印象があったけど、想像以上に理論的でいろんな話をしてくれた。練習量もすごかった」。懐の深い打撃で巧さに定評があったが、その武器だけではソフトバンクで定位置をつかめない。考え方や打撃フォームも見つめ直して打球に力強さを追い求めると、A組(一軍)スタートとなった2月の春季キャンプではフリー打撃でサク越えを連発。小久保裕紀監督は「一番変わっているのは秋広。昨年の打撃フォームをオフでこんなに変えられるんやと目についた。(昨年の)ちょっともったいないなという打撃スタイルから今はあの体を生かしている。これぐらいの打球が打てるよなというところ」とうなった。

ハイレベルな定位置争い


 ソフトバンクの定位置争いはハイレベルだ。外野は近藤健介柳田悠岐周東佑京と球界を代表する選手たちに加え、昨年に最高出塁率(.384)のタイトルを獲得した柳町達、長打力が持ち味の正木智也笹川吉康が虎視眈々と狙っている。小久保監督は今年のテーマに「一度、壊す」と掲げている。「勝っていても失敗を恐れず、チャレンジし続ける姿勢を貫く。チャレンジを続けることでしか、進化、成長はないからね」。実績だけでは定位置を保証されない。昨年は柳町、野村勇がブレークしたように若手、中堅の台頭がチーム力の底上げにつながる。

 秋広は外野、一塁の定位置を奪取する活躍を見せられるか。午年の年男は一軍での完走を目標に掲げている。

「5年間やって、開幕一軍は1回もない。本当に1年間一軍に居続ける厳しさは巨人の時もそうだし、ソフトバンクという強いチームでも感じた。一軍にいるということは戦力ということ。そこを一番に考えたい」

 オープン戦の1試合1打席がアピールの場となる。常勝軍団の主力になるため、打ち続ける。

写真=BBM
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