抜群の身体能力の高さ

今季、筑波大からドラフト3位で阪神に入団した岡城
グラウンドで躍動する姿に大きなエネルギーを感じる選手が、阪神のドラフト3位・
岡城快生だ。
与えられたチャンスでアピールしている。侍ジャパンと対戦した3月3日の強化試合で途中出場すると、8回一死一、三塁の好機でサポートメンバーの
中日・
仲地礼亜の内角の直球に左腕をうまくたたんで左翼線に落とす適時打。一軍の対外試合初打席で安打を放った。11日のオープン戦・
西武戦(甲子園)でも5回から中堅の守備で途中出場し、6回にセンター前に落ちるかという打球をスライディングキャッチで好捕。7回一死二、三塁の打席で
渡邉勇太朗のスライダーに反応して右中間を破る2点適時三塁打を放った。スピードに乗って三塁にヘッドスライディングした後に立ち上がると、一塁側ベンチに向けて筑波大時代のパフォーマンス「Tポーズ」を披露。球場を盛り上げた。
他球団の分析班は「プレースタイルが
塩見泰隆(
ヤクルト)に似ていますよね。投げる、走る、打つ姿を見ると身体能力の高さに目を見張るものがある。打撃技術がしっかりしていますし実戦向きの選手だと思います」と指摘する。
飽くなき向上心で成長曲線に
大学日本代表の合宿で50メートル5.8秒を計測するなど、アスリートとして大きな可能性を抱かせる一方で、努力の人だ。進学校の岡山一宮高から一般入試で難関の筑波大に合格。「図書館で10時間くらい受験勉強をしていました。川村卓監督は動作解析の第一人者で、聞けば何でも答えが返ってくるので成長につながっています」と週刊ベースボールの取材で語っている。高校時代はサク越えのアーチを1本も打てなかったが、量と質を追い求めた練習と飽くなき向上心で一気に成長曲線に。
「午前中の練習が終わったあと、午後の自主練習の時間のほとんどをバッティングに費やしてきました。学生コーチに投げてもらったり、トスバッティングをしたり。自信を持って打席に立てるように納得できるまで振り続けて、量をこなしてきました」
「内角が苦手だったので、川村監督にどうしたらスムーズに体を回転させることができるのかをアドバイスしていただき、体の真ん中に軸が通っているようにイメージして、体が後ろに残らないようにその場でクルッと回るようにしました。そして、これまでは差し込まれてしまうことが多かったので、早めにタイミングを取るようにしています」
スラスラ言語化する姿勢に頭の回転の速さを感じる。3年の秋から首都大学リーグで3季連続打率3割5分以上をマークし、昨年のリーグ覇者・阪神からドラフト3位で指名された。
プレーの精度を突き詰めて
大きな伸びしろが成長される金の卵だが、一軍定着に向けてプレーの精度を突き詰める必要がある。途中出場した8日の
巨人戦(甲子園)で、オープン戦初打席の8回にドラフト2位右腕・
田和廉の148キロ直球を右前にはじき返す安打を放ったものの、直前の中堅の守備で反省点が。8回無死一、二塁の場面で中飛を処理して二塁走者・
佐々木俊輔のタッチアップを防ぐため三塁へダイレクトで送球する間に、一塁走者・
泉口友汰の二塁進塁を許す形に。9回無死一塁でも中飛を処理した後、一塁走者の二塁へのタッチアップを許した。
8回は三塁で封殺するのが厳しい状況を考えると、カットマンに入った内野手にきっちり返さなければいけない。9回の守備も捕球から返球のスピードを上げる必要がある。プロの世界は1つのミスやわずかな隙が命取りになる厳しい世界だ。岡城は大きな教訓になっただろう。不動のセンターとしてゴールデン・グラブ賞を5度受賞した
近本光司は俊足を生かした広い守備範囲だけではなくプレーの一つひとつで細部にこだわり、状況判断に優れている。一挙手一投足で参考になる点がたくさんあるだろう。
即戦力の呼び声高いドラフト1位・
立石正広、2位・
谷端将伍がフォーカスされるが、岡城も負けられない。日々の課題と向き合い、収穫を自信にして外野の定位置を狙う。
写真=BBM