オープン戦で打率.317

2年目を迎えた浦田。今季は開幕から一軍で暴れ回る
主力選手の穴を埋める活躍で満足するつもりはない。
巨人で二塁の定位置奪取を狙う選手が、プロ2年目の
浦田俊輔だ。
2024年にゴールデン・グラブ賞を受賞するなど球界屈指の守備力とシュアな打撃で、チームの中心を担う
吉川尚輝が昨年10月に両股関節の手術を受けて実戦復帰を目指している。大きな柱が不在となった二塁の定位置争いでアピールしたのが、浦田だ。オープン戦14試合出場でチーム最多の13安打を放ち、打率.317をマーク。オープンスタンスで重心を下げた
青木宣親(元
ヤクルトほか)を彷彿とさせる打撃フォームから快音を放っていた。3月22日のオープン戦・
楽天戦(東京ドーム)では6回一死一塁で
中込陽翔の146キロ直球を振り抜き、右中間突破の適時三塁打とパンチ力も発揮した。
好きな動物は「チーター」
九州産業大では福岡六大学リーグで3年秋から3季連続で盗塁王を獲得。アマチュア球界屈指の俊足で評価を高めた浦田はプロ入り後、好きな動物に「チーター」を挙げている。
「長崎に住んでいた小学生のころ、家族で行った動物園で初めてチーターを見ました。動物の中で一番走るのが速いと知って、僕も走ることでは負けたくなかったので、すごく好きになりました。ライオンみたいに豪快に獲物へ襲い掛かるのではなくて、チーターはとても警戒心が強いらしく、密かに獲物を狙い定めて狩る、というところが、気持ちを内に秘めるタイプの自分となんだか似ているような気がしたんですよね。チーターになりたい、と思っています。だからグラブのメーカーさんにお願いをして、親指の名前がある部分にチーターの絵も刺しゅうしていただきました。とてもお気に入りのグラブになっています」
武器は俊足だけではない。強肩に加えて打撃でも4年秋に首位打者に輝くなどリーグ通算打率.394をマーク。「1年秋くらいに、大久保(大久保哲也)監督と久米(久米健)コーチからバットを短く持つようにアドバイスをいただきました。指2本分くらい短く持つようになり、ミート力が上がったと思います」と週刊ベースボールの取材で明かしていた。巨人に入団した昨年は開幕一軍入りを果たしたがチャンスを生かせず、22試合出場で打率.208、0本塁打、4打点。ファームで過ごす期間が長かったが、イースタン・リーグでは91試合出場で打率.280、チームトップの20盗塁をマークした。
打撃で大切な「タイミング」
守備と走塁は一軍で十分に通用する水準に達している。定位置をつかむために打撃でアピールすることが重要になる。お手本になる選手が
近本光司(
阪神)だ。盗塁王6度獲得の球界を代表するリードオフマンは21年に最多安打(178本)に輝くなど、プロ7年間で通算1093安打を積み上げている。近本は昨年5月に週刊ベースボールのコラムで、打撃で最も大事にしている要素として「タイミング」を挙げている。
「野球経験のある方なら分かると思うのですが『タイミング』がピタっと合ったときって打席の中で何にも考えず、勝手に体が動いてボールをパーンと打っていないですか? 実はそれこそ打撃の究極の型であるのだと思うのです。だからこそ打席の中で打ち方云々よりも『タイミング』を合わせていくことが一番大事だと再認識したんです。プロに入り7年目で、もう一度、プロに入ったときに考えていたことに戻りました」
「やはり打撃は、タイミングを合わせながら打つことが大事で、それが打席での『対応力』という表現になるのだと思います。理想を考え過ぎて、自分の打ち方が、一つだけになってしまうと相手投手がズラしてくる『タイミング』に対応すべき幅が狭くなってしまいます。それを少なくするためにも、素振りで理想の型をつかみ、試合ではうまく『タイミングを合わせ』どんなボールにも対応してヒットを量産したいと思います」
巨人は一、二番が固まっていない。浦田も近本のようにチャンスメーカーとして稼働すれば、首脳陣の信頼をつかめる。1打席、1試合が勝負の日々が続く。
写真=BBM