下から這い上がる思い

法政二高の主将・平松は4月4日に開幕する春季県大会への意気込みを語った[写真=BBM]
神奈川春季県大会の組み合わせ抽選会が4月1日、横浜市内で行われた。地区予選を突破した81校に加えて、センバツ出場の横浜高(地区予選免除)と計82校のチーム代表者が出席。1、2回戦の対戦カードが決まった。
昨秋の県大会準優勝校で、33年ぶりに関東大会に出場した法政二高は、昨秋の8強進出校に与えられるシード校となった。同校は過去に春2度、夏9度の甲子園出場を誇り、最後に名乗りを上げたのは1988(昭和63年)夏。すべて昭和時代の実績であり、古豪復活を印象づけた。主将・平松迅(3年)は抽選会後、背筋を伸ばして受け答えした。
「近年では本当に久しぶりのシード校として抽選会で、周りの顔ぶれとかを見ても、すごい学校だなと感じる部分もあったんですけど、そこに変に気負うことなく、逆にそのシード校としてという重圧も感じず、また一から勝っていければいいなと思っています」
冷静沈着である。あくまでも、挑戦者の姿勢を忘れない。
「秋の結果に満足することがないように、関東大会での悔しい負けもありましたし、そういう意味では、自分たちは受けて立つというよりは、チャレンジャーだという気持ちで向かってこうという話をチームでもしています。シード校とかは関係なしに、また下から這い上がっていければいいなと思っています」
センバツ出場をかけた花咲徳栄高(埼玉)との関東大会1回戦では5回を終えて9対0とリードしながら、痛恨の逆転負け(9対10)。84年以来となるセンバツ切符は夢と散った。
敗戦を受け止め、冬場の過ごし方を明かす。
「冬のチームの目標は、選手層の底上げでした。秋は投げているピッチャーが松田(松田早太、3年)ほぼ一人だったり、出場する野手も、ほぼ入れ替わることがない展開が多かったんですけど、この春からはDH制にもなりますし、新たな役割を担える選手を増やせるように、という気持ちで練習してきました。そういう意味では、また違った形の野球ができると思います。二番打者だった自分自身も、秋はどちらかと後ろにつなぐバッティングがメーンだと感じていたんですけど、春・夏に向けては自分も長打だったりとか、チャンスで一本とか、そういう役割も担っていかないといけないかなと思っているので、冬はそういう気持ちで練習に取り組んできました」
野球の恐ろしさと怖さ
川崎・横浜北地区予選のAブロック第3戦(対大師高)で3連勝を飾った3月27日、公式戦とは別の学びの場があった。センバツに出場した花咲徳栄高が準々決勝(対智弁学園高)で、2回表までに8対0と大量リードを奪いながらも、逆転負け(8対12)を喫した。花咲徳栄高は、昨秋とはまったく逆の立場を味わったわけである。この一戦の結果を受けて、平松は特別な感情が沸いたという。
「徳栄さんでも、ああいう展開になってしまうというのが、本当に野球の恐ろしさであったり、試合展開の難しさも、感じることができました。自分たちが経験した秋の教訓をもう一度、振り返るとともに、流れのスポーツである野球の怖さを学べたので、それは、春以降の大会に活きてくるかなと思っています」
改めて目標を語る。
「神奈川県大会で優勝、関東大会に出場して、秋の雪辱を晴らせるようにと今、チーム全体で意気込んでいます。第1シード(春4強以上)というのも夏につながるので、そこも視野に入れながら頑張っていきたいです」
第1シードを手にできれば、33年ぶりとなる。シード校(16強以上)自体も、05年が最後であり、どん欲に上を目指す。法政二高の初戦(2回戦)は4月5日、神奈川大付高と元石川高の1回戦勝者である。ここを勝ち上がった場合、3回戦は慶應義塾高と茅ヶ崎北陵高による2回戦の勝者という組み合わせ。秋同様、先を見ることなく、一戦必勝で臨んでいくのみだ。
取材・文=岡本朋祐