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開幕二軍危機も打撃絶好調 脅威の長打力…V奪回狙う「日本ハムのキーマン」は

 

リーグ1位タイの本塁打


今季は開幕から本塁打を量産している万波。力強く打線を牽引する姿は頼もしい


 開幕12試合を終えて12球団トップの24本塁打をマークしている日本ハム。その中でリーグ1位タイの5本塁打と量産しているのが、五番を打つ万波中正だ。

 技術とパワーが凝縮した一撃を放ったのが、4月5日のオリックス戦(エスコンF)だ。同点で迎えた7回二死一、二塁も好機で、ルイス・ぺルドモの外角に逃げるスライダーに泳がされたが、左手一本で左翼席に運んだ。殊勲の3ランが決勝打に。ベンチから飛び出したナインが喜びを爆発させる中、新庄剛志監督も両手を上げて笑みを浮かべた。

好球必打の姿勢


 シーズン前は定位置を確約された立場ではなかった。昨年は127試合出場で打率.229、20本塁打、56打点。自身2度目のシーズン20本塁打をクリアしたが、確実性を欠いて夏場以降は打撃不振でスタメンを外れる機会が増えた。今年もオープン戦の期間に終盤までファームでの調整が続いた。外野陣は水谷瞬矢澤宏太五十幡亮汰、内外野を守る野村佑希、5年ぶりに復帰した西川遥輝と定位置を巡る争いは熾烈だ。万波は結果を残さなければ、定位置どころか一軍の座が危うくなる。昨年はボール球になる変化球に手を出す場面が目立ち125三振。三振が決して悪いわけではないが、見逃せばボール球を空振りするとチームにプラスをもたらさない。44四死球で出塁率.302にとどまり、出塁率と長打率を足し合わせたOPS.733は23、24年より低い数値だった。

 だが、今年はボール球をきっちり見極めて好球必打の姿勢が見える。12試合出場で8四球を選び、出塁率.388。OPSは1.013と長距離打者として高い水準の数字を叩き出している。ボール球に手を出さなければ、相手投手はストライクゾーンで勝負せざるを得ない。4月3日のオリックス戦(エスコンF)。3回に7球粘った末に四球を選び、5回も四球で出塁すると、6回二死一、三塁の好機で3ボールから真ん中に入った直球をきっちり捉え、左翼席に4号3ランを叩き込んだ。

超一流は「OPS.900以上」


 万波がブレークしたのは3年前の23年にさかのぼる。141試合出場で打率.265、25本塁打、74打点をマーク。本塁打のタイトルには1本差で届かなかったが、大きな手ごたえをつかんだ。週刊ベースボールのインタビューで、以下のように語っている。

「いろいろやりましたし、バッティングフォームも変えました。これまでよりバットを寝かせて構えるようにして、後ろをコンパクトに振ろうと。振り出しをコンパクトにする意識ですね。打席の中でも、少し頭が使えるようになってきたのも大きかったと思います。それでもやっぱり、スイング率やほかの数字もリーグの平均やもっとすごい一流の方たちと比べてというところでは、やっぱりまだまだだなと感じます。過去の自分と比べて成長を感じるだけでは、まだまだです」

「OPS.900以上というのが超一流の壁かなと思うので。ただ、段階というのは絶対にあると思うんです。まず来年は.850、長打率5割を目指していきたいです。OPSを上げるためには運に左右されない、自分の実力で積み上げることができる数字を上げることが必要で、そうなってくるとフォアボールになってくる。しっかりフォアボールを取って、打てるボールだけをしっかり打つことができれば、必然的に長打率も上がってくると思います。だからちょっとは成長できたと言っても、やっぱりボール球を振らないというのは自分にとって永遠の課題だし、一番成長の余白があるところなのかなと思います」

 相手バッテリーのマークが厳しくなり、23年のOPS.788が自己最高だったが、壁を乗り越えることで長距離砲として進化する。目指す理想像の選手について、こう語っている。

「もちろん打撃で飛び抜けた成績、OPS.900を超えるような成績を残したいなっていうのもありますし、守備や走塁も、もっと総合力を伸ばしていきたいです。『勝てる選手』っていうか、1人で勝敗を左右できちゃうくらいの、そんな影響力を持った選手になりたいですね。そのためにも打撃はもちろん、守備や走塁にも、もっと意欲的に取り組みたいなと思いますし、総合力を上げてチームの勝利に影響を与えられる選手になっていきたいです」

 打倒・ソフトバンクに向け、万波の一挙手一投足から目が離せない。

写真=BBM
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