寡黙なキャプテン

筑波大の主将・宮澤はチームをけん引する[写真=BBM]
4月12日
日体大4-3筑波大(日体大2勝)
首都大学野球2026春季リーグ・第2週2日目。昨秋、38季ぶりの5度目のリーグ優勝を果たした筑波大で、主将を務めているのが宮澤圭汰(4年・花巻東高)だ。
宮澤は花巻東高時代の3年春にセンバツ出場。昨秋のドラフトで
ソフトバンクから1位指名を受けた
佐々木麟太郎(スタン
フォード大)の1学年上で、チームメートとして甲子園で戦っている。
筑波大では1年春にベスナインを獲得するなど、リーグを代表する遊撃手として活躍。今季からは人生で初めてのキャプテンとなり「分からないことだらけですが、自分が一番経験をさせてもらっているのでやるしかない」と意気込む。
川村卓監督は「寡黙なタイプなので、背中でチームを引っ張ってくれています。ショートの守備については本当に頼りにしていて、確実にアウトを取ってくれるので『宮澤のところに飛べば大丈夫』だと思っています」と評価。宮澤自身も「ピッチャーが打ち取った打球をしっかりとアウトにできるのが自分の持ち味。きっちりと打球の正面に入ることや下からグラブを出すことなど、基本を大事にしています。あとは球際に強くなれば、もっと成長できると思います」とさらなる向上心を持っている。
打撃では2年秋に打率.317をマーク。ただ、本人は「3割を打ったシーズンがまだ1度しかないので打撃面が課題です」と認識している。ただ、「昨年よりしっかり芯でとらえた強い当たりが増えて打球の質が良くなってきたように感じていますし、芯を外されたとしても野手の間にボールが落ちるようになっています」と手応えをつかんでおり、「練習では野手のいないところへボールを打つことを意識するようになりました」とヒットゾーンへ打ちこんできた成果が表れている。
とにかく上を目指す
今季は開幕から一番・遊撃手で先発出場。前日の日体大1回戦では、ドラフト候補にも名前が挙がる
馬場拓海(4年・福岡大大濠高)からプレーボール直後に先頭打者本塁打。「真っすぐを打ったのですが、まさかホームランとは思いませんでした。開幕週の城西大戦では攻撃が上手くいっていなかったこともあり、『チームに勢いを付けたい』と考えていたので、得点が取れてよかったです」と振り返る。ただ、それ以降は日体大の投手陣に封じ込まれ、開幕から白星なし。
「投打がかみ合わず、それぞれの選手が役割を果たせていないように感じています」。そんな苦しい状況のなか、この日の日体大2回戦も序盤からリードされる展開。三番打者として出場した宮澤も3打席目までノーヒットだったが、3点を追う9回裏。このイニングの先頭打者として打席に立つと「なにがなんでも出塁したかった」とライト前へクリーンヒット。
「これまでは打てる週と打てない週がはっきりとしていて調子に波があったので、今季はどの試合でもコンスタントに結果を残していきたい」と話していたが、これで開幕から4試合連続安打をマーク。「バッティングはその日の体の状態によって変えていて、筋肉に張りを感じる時は体の開き方を変えたり、踏み込みを変えたり。今は体の状態が良いので自然体に構えて、力むことなくスッとスイングしています」と打率.333(15打数5安打)をマークして好調を持続している。
その後、さらに盗塁を決めて得点圏に進むと、代打・原佑太(2年・石橋高)の2ランホームランが飛び出して1点差に詰め寄った筑波大。しかし、最後は前日からの連投となった馬場に対し、二死三塁と一打同点の場面をつくったもののあと一本が出ず。3対4で敗れて、まさかの4連敗となった。
「昨秋に優勝した先輩たちの力の大きさを感じる4試合になりましたが、思うようにいかずに結果が出ていない選手を鼓舞して、良い方向へ持っていければ。自分も結果で引っ張っていきたい」と前を向く宮澤。2週連続で勝ち点を落とし「優勝争いに加わるのは厳しい状況になっていますが、とにかく勝っていかないと上を目指すことができない。残り試合はすべて勝って、食らいついていきたい」と目標を語った。前季優勝の誇りを失うことなく、最後まであきらめずに一戦必勝で臨んでいく。
取材・文=大平明