週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

巨人に移籍で大ブレーク リリーフで投手陣支える「魔球の使い手」は

 

打者をねじ伏せるシュート


巨人移籍2年目を迎えた田中瑛。リリーフで欠かせない存在となっている


 巨人に移籍2年目の田中瑛斗が、替えの利かない存在になっている。

 4月16日の阪神戦(甲子園)で1点リードの7回から登板すると、先頭の小幡竜平を中飛、前回登板の14日に一時逆転打を浴びた代打・高寺望夢を二ゴロに抑えた。近本光司には四球を与えたが、後続の中野を遊ゴロに打ち取って無失点。12球のうち11球がシュートという伝家の宝刀で打者をねじ伏せ、先発した田中将大の日米通算202勝につなげた。

 現役ドラフトで日本ハムから移籍した昨年に野球人生が一変した。多彩な変化球を操っていたが、阿部慎之助監督の助言でシュートを磨いたことでプロの世界で輝く活路を見出した。右打者の内角をえぐり、バットをへし折る。登板を重ねて「勝利の方程式」に定着し、62試合登板で1勝3敗37ホールド、防御率2.13と自己最高の成績をマークした。忘れられない登板がある。田中将が日米通算200勝を達成した昨年9月30日の中日戦(東京ドーム)。1点リードの7回二死二塁のピンチでマウンドに上がると、鵜飼航丞を空振り三振に仕留めた。

「田中将大さんは雲の上の人だったので、今年から同じチームになって最初はしゃべることすら緊張しました。でも、後輩への接し方がフランクで優しくて、話しやすい環境をつくってくれたので、スッと入れました。だから将大さんの日米通算200勝には携わりたいと思っていました。(ホールドを記録した)達成日は人生で一番緊張しました。試合後に大勢の発案で『水をかけに行くか』みたいになって、整列時にかけたんですけど、その後にいろいろな記念写真があると考えてもなくて、ビショビショの状態にしてしまって申し訳なかったです……。でも、将大さんは『ありがとう』と言ってくれました。さすがスターですよね」

「体の使い方が非常に上手」


 日米通算170勝をマークした岩隈久志氏は週刊ベースボールの企画「岩隈久志の連続写真に見るプロのテクニック」で、田中瑛の投球フォームを高く評価している。

「昨オフに現役ドラフトで日本ハムから、巨人に移籍。勝ちパターンのリリーフとして、今季はその地位を築いていますね。投げ方は非常にオーソドックスですが、いい点がたくさんあります。投げ始めのときは、一度、捕手側のほうを向いて、目線が三塁側へと移行していきますが、この間合いは中継ぎ独特のものです。その後も大きく足を上げることもない投手なので、怖さはないのですが、下半身をうまく使ってシュート系、スライダー系を織り交ぜて打ち取っていくタイプだと思います。体が前に突っ込んでいかないように、右側サイドを大きく使って投げる、テークバックを大きく使う、私の現役時代のリリーフ投手の投げ方に似ています。つまり、足を上げてからトップに右手が上がるまでの間のつくり方、体の使い方が非常に上手だと思います」

リベンジを果たしたい舞台


 首脳陣の信頼を勝ち取った今年は1年前と立場が違う。WBCに出場した大勢、ライデル・マルティネスが開幕のベンチから外れたため、3月27日の開幕戦・阪神戦(東京ドーム)で抑えを務めた。2点リードの9回に登板し、先頭打者の森下翔太に遊撃内野安打で出塁を許したが、佐藤輝明をシュートで遊ゴロ併殺打。大山悠輔を149キロ直球で左飛に仕留めて無失点でプロ初セーブをマークした。その後も7試合連続無失点とセットアッパーで安定した投球を続けている。

 リベンジを果たしたい舞台がある。昨年はDeNAと対戦した10月12日のクライマックスシリーズ・ファーストステージ第2戦(横浜)で、1点リードの延長10回に登板したが、林琢真に同点打、蝦名達夫にサヨナラ打を浴びて終戦を迎えた。シーズンでの大活躍を考えれば、責める人間は誰もいない。だが、「これからのオフもこの気持ちを残したまま取り組みたい」と誓っていた。

 チームは17日のヤクルト戦(神宮)で8対3と快勝し、貯金を今季最多の3に増やした。この日は登板機会がなかったが、田中瑛がシーズンを通じて稼働することが、V奪回に向けて不可欠だ。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング