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大学でリーグ戦22勝無敗 育成契約からはい上がった「ヤクルトのエース候補」は

 

シーズン初登板から4戦4勝


今季は開幕から4試合に先発して4勝と見事な結果を残している


 開幕から好ダッシュを切ったヤクルトだが、最下位の中日に今季初の同一カード3連敗を喫して首位から陥落した。長いシーズンでチームの調子が上向かない時期が必ず来る。そのときにいかに連敗を少なくできるか。新たな左腕エースとして大きな期待がかかるのが、プロ6年目の山野太一だ。

 テンポ良くストライクゾーンに投げ込む投球がチームに勢いをもたらしている。左腕から繰り出される150キロ前後の直球に、球速差がないワンシームはシュートしながら沈む軌道でバットの芯を外す。落差の鋭いフォークも投球に奥行きを与えている。3月27日の開幕2戦目・DeNA戦(横浜)で先発を務めると、7回8安打2失点の粘投で今季初勝利をマークした。

 その後もきっちり試合をつくり、白星を積み重ねていく。4月22日の広島戦(マツダ広島)で6回5安打無失点の好投。走者を再三背負う投球となったが決定打を許さない。打撃でも1点リードの4回一死二、三塁で貴重な追加点を叩き出す中犠飛。投打にわたる活躍でシーズン初登板から4戦4勝となり、アンダースロー右腕の山中浩史が2015年に6戦6連勝をマークして以来球団史上11年ぶりの快挙を達成した。

「僕はもう若手ではない」


 東北福祉大の時に公式戦70回連続無失点を記録し、リーグ通算22勝0敗と無敗のまま4年間を投げ切った。ドラフト2位で指名されて即戦力左腕として嘱望されたが、プロの世界で試練を味わう。新人の21年4月1日のDeNA戦(横浜)でプロ初先発し、守備の乱れなどが絡み2回途中7失点で降板。一軍登板なしに終わった2年目のオフに育成契約を結んだ。

 ここからはい上がる。23年はファームで安定した投球を続け、7月に支配下復帰するとプロ初勝利をマーク。痛打を浴びる場面もあったが、高津臣吾前監督が我慢強く起用して一本立ちを願った。昨年は14試合登板で5勝3敗、防御率3.66。チームは5年ぶりの最下位に低迷したが、自己最高の成績を残した。週刊ベースボールの取材で以下のように語っている。

「去年まで、結構マウンドで弱々しい顔をしているように見られることが多かったので、今年はなるべく練習や試合でそういうふうに見られないように心掛けています。自分にプレッシャーを与えるじゃないですけど、やっぱり自覚を持ってやらないといけないと思う。いつまでも石川(石川雅規)さんや小川(小川泰弘)さんらに頼ってばかりではいけないなと。僕はもう若手でもない。僕とか吉村(吉村貢司郎)さん、奎二(高橋奎二)さん、奥川(奥川恭伸)らでこれからチームを引っ張っていかないといけないなと思っています。あとは、オフシーズンにやることをやってきたので、怖いものがないというか、自信を持って投げられているという部分もありますね」

愛する家族のためにも


 今年は愛する家族のためにも特別な思いがある。

「昨年5月に結婚して、8月には長女も生まれたのですが、変わらず野球に集中させてくれている奥さんには感謝しています。プロ野球選手として野球を第一に考えて生活してきたので、今も日中は野球に集中したいという思いが強いです。子どもはまだ数カ月で、奥さんも外出したいと思うんですけど、子どもを第一に考えて見てくれているので、自分も野球に集中できています。年末年始は山口の実家に奥さんと子どもと2週間ぐらい帰りました。気を遣わせてしまったかもしれないんですけど、すごく楽しそうにしていたのでよかったです。これからは家族のことも考えて、恩返しできるように頑張っていきたいです」と明かしている。

 同期入団のドラフト2位は、牧秀悟(DeNA)、伊藤将司(阪神)、山崎伊織(巨人)、森浦大輔(広島)、五十幡亮汰(日本ハム)などプロ入り後に活躍している選手がそろっている。山野も負けられない。今年は自身初の2ケタ勝利を通過点に白星を積み重ねていく。

写真=BBM
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