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【春季神奈川県大会】横浜高のドラフト候補遊撃手・池田聖摩が27個目のアウトを託された理由

 

価値のある勝ち


横浜高の遊撃手・池田は投手用の赤いグラブで9回表二死から救援。胴上げ投手に輝いた[写真=福地和男]


5月3日(決勝)
横浜高8-3横浜創学館高

 横浜高が8対3とリードした9回表二死走者なし。一塁ベンチの村田浩明監督は動いた。遊撃手の池田聖摩(3年)を四番手のマウンドに送った。投手用のグラブに代え、140キロ後半のストレートで押し、6球目を一邪飛に仕留め、県大会5連覇を決めた。27個目のアウトを奪い、歓喜の輪が広がった。神奈川高校野球のメーン会場・横浜スタジアムのマウンドで迎える優勝投手は、格別の瞬間であった。

「1年夏はここで(東海大相模高との決勝)負けてしまって、本当に悔しい思いで、もう1回、このマウンドで勝ってやるという思いがありました。初めての経験で、ここで優勝投手というか、最後の1個ですけど、アウトを取れて本当に良かったなと思います」

 史上4校目の春連覇の期待を集めた今春のセンバツでは神村学園高(鹿児島)との1回戦で初戦敗退を喫した。再出発の春。厳しいチーム状態から脱し、再び激戦区・神奈川の頂点に立った。三番・遊撃で先発出場した横浜創学館高との決勝は、50メートル走6秒0の軽快なフットワークと、遠投120メートルの強肩で7個の遊ゴロをさばいた。持ち味を存分に発揮している。

「本当にこの勝ちというのは、価値のある勝ちだと思っています。最後は自分がマウンドに上がったんですけど、選手間でもいろいろな争いがあってのこの試合だと思っているので。最後、自分が締めるという形になったんですけど、ここまで26個のアウトを取ってきて、(マウンド付近で歓喜したのは)本当にその思いが詰まった喜びだったのかなと思います」

 1年夏から二刀流として、試合の終盤を締めてきた。公式戦での登板は2年夏の綾羽高(滋賀)との甲子園2回戦で先発して以来。村田監督は起用意図を明かす。

「調子が悪かったので、ピッチャーをやらせて、バッティングをやらせて、ショートをやらせてとなってしまうと、池田が池田じゃなくなっちゃうなというところもあったので……。今年2月に腰を痛めて休ませ、(センバツ開幕まで)1カ月で(開幕という)強行軍だったんです。そこで、活躍しなきゃいけないと焦り、フォームを崩してというところでした(一番・遊撃で4打数無安打)。ここにきてようやく上がってきて、池田らしくなってきたんで、今日はちょっと投げさせたい、と。夏はピッチャーもやらせたいので、(この春は)優勝投手にさせて、良いときのイメージを湧かせられるかなと思って投げさせました。池田も投げられる、と確認できました」

高卒でのプロ志望


マウンド上では躍動感ある投球を見せる[写真=福地和男]


 高校日本代表候補として4月の強化合宿に参加。攻守走3拍子がそろう、右投げ左打ちのスピードスターはNPBスカウトから注目を浴びており、池田は「プロ志望」を表明している。

「プレーしていく中で『プロ』というのを言っていくことで、自分のモチベーションにつながる。そこはブレずに、まだプロと言える立場ではないですけど、頑張っていきたいです」

 どんなプレースタイルが理想か聞いた。

「堅実に守れることもそうですけど、バッティングではアベレージを残しながら、チームの核となれるような選手になっていきたいです。宮本慎也さん(元ヤクルト)だったり、松井稼頭央さん。そういうショートになっていきたいです」

 将来的には「自分としては、野手で勝負していきたいです」と語るが、YOKOHAMAのユニフォームを着る限りは、どんな立場でも喜んで受け入れる。

「やっぱり(3年生エースの)織田(織田翔希)がいて、決勝で頑張った林田(滉生、3年)、そして(2年生左腕の)小林鉄三郎がさらにいてという形で、自分も控えているんですけど、勝てる投手陣というのはそろっているので、自分がワンポイントでも投げられる隙があれば、登板できるように準備していきたいと思います」

 背番号6。攻守にアグレッシブな副将・池田が名門・横浜高を攻守でけん引し、試合の主導権を握っていく。

取材・文=岡本朋祐
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