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【春季神奈川県大会】神奈川県高野連会長が高校球児へ発信した夏へのメッセージとは何か

 

円滑かつ安全に実施


横浜高が県5連覇を遂げた[写真=福地和男]


5月3日(決勝)
横浜高8-3横浜創学館高

 野球部員に寄り添う、心温まるメッセージだった。

 定型文ではないリスペクト、熱量を感じたのである。

 春季神奈川県大会の閉会式に際して、今年から新たに就任した神奈川県高野連・朝木秀樹会長(横浜隼人高校長)が横浜スタジアムで挨拶した。冒頭では大会運営に携わったすべての関係者を労っている。

「選手の方々、審判の皆様、球場スタッフの皆様、ボランティアの皆様、そして指導者、多くの皆様に厚く御礼申し上げます。皆様方の協力により、今大会は円滑かつ安全に実施することができました。本当にありがとうございました」

現場に踏み込んだ熱い言葉


神奈川県高野連・朝木会長[中央]は横浜高の主将・小野舜友[右]に優勝旗を授与した[写真=福地和男]


 優勝校・横浜高、準優勝校・横浜創学館高に対しても、具体的な事例を挙げて称賛した。まずは、2024年秋から5連覇を遂げた横浜高である。

「センバツから戻り、最初の大会ということで、いろいろ調整面も大変だったのではないかと思います。ただ、さすがそこは神奈川県の王者と呼ばれる学校。1試合ごとに力を発揮し、勝負どころを逃さず、一気に得点するという野球を存分に見せていただきました」

 16年ぶりの決勝進出を遂げた横浜創学館高の健闘ぶりも称えている。

「レベルが高くて、とてもバランスのいい好チームという印象です。今大会、大いに盛り上げていただきました。今日は負けてしまいましたけれども、その持ち味は十分発揮できたのではないかと思います。この両校の奮闘に敬意を表するとともに、5月16日から始まります関東大会(千葉県開催)での両校の奮闘に大いに期待したいと思います」

 なぜ、ここまで現場に踏み込んだ言葉を発信できるのか。

 朝木会長は千種高(愛知)、東大を通じて捕手として活躍。千種高では3年夏(1980年)の愛知大会5回戦で、2年生左腕・工藤公康を擁する愛工大名電高と対戦も、惜敗(0対5)した。東大では大越健介氏(ジャーナリスト)とバッテリーを組んだ。大学卒業後は都市銀行に就職。50代前半で退職後は麻布学園の事務長、その後は筑波大駒場高の監督を約5年務めた。縁あって23年9月に横浜隼人高の副校長に赴任し、24年4月から校長となり、神奈川県高野連副会長も担い、2年を経て、同会長に就任した。野球への愛情は、人一倍だ。

3年生に託したレガシーの構築


神奈川県高野連・朝木会長は閉会式の挨拶でスタンドの観衆に感謝を示した[写真=福地和男]


 4月2日に行われた組み合わせ抽選会では、新会長就任に際して「神奈川県はファンの数であるとか、熱量とか日本一じゃないですか。このファンの方々を大事にしなくてはいけないと思っています」と抱負を語っていた。この日の決勝、横浜スタジアムは1万2000人の観衆。内野スタンドはほぼ埋まる大盛況で、神奈川県高校野球人気の健在ぶりを示した。朝木会長は閉会式で改めて、スタンドに向けて「感謝」の言葉を伝えた。

「いつも熱い声援を送ってくださいます神奈川県の高校野球の皆さんに、厚く御礼申し上げます。皆様のご声援によりまして、今大会も大変盛り上がり、そして選手たちも大いに励まされたのではないかと思います。本当にありがとうございました。ちょっと気が早いですが、2カ月後には選手権大会が始まります。今日はここに2校おられますけれども、神奈川県下全チームが夏の大会に向けて、今大会の成果と反省を踏まえて、また一回りも二回りも成長して戻ってくると思います。その成長にぜひ期待していただき、引き続き変わらぬご声援をいただければと思います。また、夏に会いましょう! ありがとうございました」

 組み合わせ抽選会の挨拶を思い出す。朝木会長は多くの3年生部員が出席した出場82校のチーム代表者(野球部員2人)の前で、こう強調していた。

「これまで各校の先輩方が築いてきた伝統があると思うんですけども、皆さんなりのレガシー(遺産)、これを、残りの活動期間で築いていただければなと思います。今までの先輩が築いたものに、また上乗せされて、各チームの一つの伝統になると思います」

 神奈川大会の開幕は7月5日。組み合わせ抽選会は6月13日に控える。夏本番まで約2カ月、言うまでもなく最後にかける3年生の「思い」の強さが、チームの浮沈を左右する。

取材・文=岡本朋祐
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