週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

投手陣にアクシデント続出の緊急事態も…巨人で抜群の安定感誇る「魔球の使い手」は

 

リリーフで光る働きぶり


移籍2年目の今季も開幕から欠かせないリリーフとして奮闘している田中瑛


 巨人が5月4日のヤクルト戦(東京ドーム)で1対5と完敗。貯金1となり首位・阪神と3.5ゲーム差に広がったが、この時期に焦る必要はない。気掛かりなのは投手陣にアクシデントが続出していることだ。

 セットアッパーの大勢が、4月29日の広島戦(東京ドーム)で2点リードの8回に登板を回避すると、その後の甲子園遠征に帯同せずジャイアンツ球場で調整した。登録抹消はされていないが、コンディションに何らかの異変が生じたと見られ心配だ。右肩のコンディション不良で開幕二軍スタートとなったエースの山崎伊織はリハビリ、実戦登板を積み重ねて順調に階段を上がっているかに見えたが、5月3日に先発登板したファーム・リーグの広島戦(Gタウン)で初回に2球を投げたところで緊急降板。自らベンチに異変を訴えて交代し、一軍復帰が不透明な状況となった。

 先発の軸として復活が期待される戸郷翔征も状態が上がらず、4日のヤクルト戦で今季初先発したが5回5失点で負け投手になるなど想定外の事態が相次いでいることを考えると、現在の戦いぶりは健闘していると言ってよいだろう。特に救援陣で働きぶりが光る投手が、移籍2年目の田中瑛斗だ。

「まだまだ満足はしていない」


開幕戦ではプロ初セーブをマーク。ルーキー・竹丸和幸に初勝利をプレゼントした


 WBCに出場したライデル・マルティネス、大勢が不在で迎えた今年の開幕・阪神戦でプロ初セーブをマーク。その後もセットアッパーで抜群の安定感を見せ、5月1日の阪神戦(甲子園)では2点リードの7回から登板すると、1回を1安打無失点で勝利につなげた。チーム最多の13試合登板で1勝0敗1セーブ7ホールド、防御率0.82は文句なしの成績だが、右腕の志は高い。週刊ベースボールのインタビューで以下のように語っている。

「任せられた場面をゼロで抑えて、勝ちが付いたりホールドが付いたりという意味ではすごく充実しています。開幕してからの数戦というのは大事だと思っていましたし、そこをしくじらないようにというか。ましてや大勢とライデル(ライデル・マルティネス)がいない中だったので、『もしかしたらセーブシチュエーションで投げるかも』という気持ちの準備はしていたし、何とかできたかなという感じです。ただ、ゼロで抑えられているので今のところはいいんですけど、投球の内容的なところで言うと自分で納得できているわけではないですし、まだまだ満足はしていません」

シュートの改良にも着手


 田中瑛の代名詞が右打者の内角に食い込むシュートだ。日本ハムでは一軍に定着できなかったが、24年オフに現役ドラフトで巨人に移籍すると、阿部慎之助監督からシュートについて「素晴らしい球。武器にしていこう」と言われたことで野球人生が変わった。ピンチの場面でも打者の懐に投げ込んで抑え続けたことで、伝家の宝刀に。62試合登板で1勝3敗36ホールド、防御率2.13と大ブレークした。

 田中瑛はシュートについて、「球速を上げたいですね。球質はボールによっても、気候によっても変わったりするので、一定にしようという気持ちはそんなにないんですけど、球速はそういうことにあまり影響されない。アベレージを0.5キロ、1キロと少しずつ上げていきたいというのはありますし、その上でコマンド力もさらに必要です」とさらに磨いていることを明かした上で、フォークの改良にも乗り出している。

「シンプルに落ち幅を出すということです。バットに当てさせないようにすることを意識してやってきました。去年のフォークに比べればすごく自信を持つことができています。あとは再現性ですね。同じ一定の球質の球を投げ続けることができるかと言われると、まだ難しさがあります。いい球もあるけど悪い球もあるという状態では、ここ一番のときに使いにくくなってしまう。ゲームを通して、自分にもっと自信をつけていかなければなりません」

 ブルペンに不可欠な存在となったが、まだまだ発展途上だ。リーグ優勝に向け、勝負どころのマウンドで輝き続ける。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング