ソフトバンクに大勝

5月6日のソフトバンク戦、満塁本塁打を放った渡部[左]と猛打賞の平沢
西武は5月6日のソフトバンク戦(ベルーナ)に10対2の完勝。同スコアで大勝した初戦と合わせ2勝1敗とし、対ホークス戦は16年ぶりの開幕から3カード連続勝ち越し。ゴールデンウィーク9連戦を5勝4敗と勝ち越し、再び勝率を5割に戻した。
打線は2回、相手先発・
大関友久をとらえ一死から
平沢大河、
古賀悠斗の連続二塁打で先制した。なお一、三塁とし
滝澤夏央、
西川愛也の適時打で加点し、さらに満塁から三番・
渡部聖弥にプロ初となる4号グランドスラムが飛び出した。その後も平沢が適時打を放つなど、球団タイ記録となる9打数連続安打の猛攻で畳みかけ一挙8点を奪い試合の主導権を握った。
終わってみれば3回までに先発全員安打となる18安打10得点の大勝。途中、右足に打球を受けるアクシデントがありながら6回を2安打無失点にまとめた
高橋光成が対ホークス3戦全勝となる今季4勝(2敗)を挙げた。
ポジティブ思考で試合を決める一打
この3連戦で王者・ホークスから計42安打を放ち24得点をもぎ取った西武のチーム打率はこれでリーグトップの.252にまで上昇。常に1対0、2対1の投手戦を想定しなければいけなかった近年の貧打が嘘のように、昨季「2.87」だったチームの平均得点はここまで35試合で「3.80」の高水準を維持している。
殊勲の渡部は「最高の気持ちです。満塁で回ってきたので絶対にかえしてやるという強い気持ちでいきました。打たなきゃいけないというより『絶対に打つ』。やっとチャンスが来たという気持ちでした」と持ち前のポジティブ思考で試合を決めた一撃を振り返った。
その上で打席での狙い、相手との駆け引きをこう冷静に解説した。
「(塁が)詰まっている場面で後ろに
ネビンがいるので、併殺だけは避けたかった。昨日のタイムリーもそういう意識で挑んだんですけど、そういうのがあっていい角度でボールが飛んでくれたのでよかった。内側のあそこのボール(ストレート)を待っていた。前回(の対戦で)あそこで結構カウントを取られていた。キャッチャーとしてもあそこで(カウントを)取れるというのは多分あったと思う。初球はあの付近の球(スライダー)を空振りしてしまったんですけど、狙っていた。その次のスライダーもちょっと反応しちゃったんですけど、見逃して見逃して、やっと(ストレートが)来たって感じです」
打者の役割が明確に

ネビンは復帰後、6試合で打率.478と絶好調だ
研究熱心な渡部は常日頃、配球的な分析はベンチ入りしている
亀井猛斗ヘッドアナリストと、打撃フォームの技術的なアドバイスは
仁志敏久野手チーフ兼打撃コーチと対話を重ねながら確認。打席、状況ごとに刻々と変化していく次への準備を怠らない。
それに加え5月に入ってからは、待望の打線の軸・ネビンが指定席の四番に復帰した。ネビンの前の三番を打つ渡部はこの“主砲復帰効果”についてこう語る。
「ネビンが帰ってくる前から(状態が)良かったのもあるし、そのネビンがちょっと出遅れたところで、自分がかえさないとっていうものはあったかもしれないです。アナリストの方とかと話し合いながら、去年の得点場面で自分に何の球を投げてきたかっていうのも何パターンも話し合っていて『じゃあこれで行こう』というのもあらかじめやってるので。そこの読みが当たるっていうのも多いと思います」
立花義家打撃コーチは「四番がドンと座っていれば、周りの打者がそこに何とか回したいという意識は当然出てくる。つながったら次の人がまたつないで相手も嫌がる。『打線』というのは軸が決まることで点が線になっていくもの」とコメント。これまで不確定だった打線の軸が決まったことで、周囲の打者の役割がそれぞれ明確になったネビンの復帰効果を認めた。
チームスローガン「打破」が形になり始めている現状に
西口文也監督は「少しずつですけど、みんな調子をあげていってくれているんじゃないですか」とまだまだ満足はしていない様子だった。
文=伊藤順一 写真=川口洋邦