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西武新人・岩城颯空が目指す“31セーブ” 今後のカギは“ブルペン・ルーティン”の確立

 

パ新人最速の2桁セーブ


5月8日の楽天戦で10セーブ目をマークした岩城


 西武は5月8日の楽天戦(ベルーナ)に4対2と勝利し、今季36試合目でついに貯金1。昨年7月13日以来の貯金を作った。

 6回一死一、二塁の好機で林安可平沢大河の連続適時二塁打などで3点を挙げ、1点差に迫られた8回には長谷川信哉の3号ソロで突き放した。

 8回2失点の先発・隅田知一郎が3勝目(1敗)を挙げ、9回を三者凡退に抑えたドラフト2位ルーキー・岩城颯空がリーグ2位の10セーブ目。球団では2011年の牧田和久以来、2人目の新人2桁セーブをマークした。また登板13試合目での10セーブ到達はパ・リーグ新人では最速となった。

 岩城はお立ち台で「8回裏の攻撃で長谷川さんがホームランを打ってくれて、(2点差で)落ち着いてマウンドに向かうことができました。(1点差では)1点取られたら同点という場面なので、全然違う」と途中出場の長谷川のアシストに感謝した。

 その上で自身の2桁セーブが特別な記録だと聞かされ「そうなんですか! めちゃくちゃうれしいです」と笑顔を見せながら、1年目の目標を「去年、平良さんが抑えをやっていた。その数を目標に頑張っていきたいと思います」と堂々の宣言。昨年のパ・リーグセーブ王・平良海馬の「31セーブ」を目標に掲げた。

与えられた“強制休養”


 つい10日前、4月28日の日本ハム戦(ベルーナ)では1対1の9回に登板し、カストロに決勝弾を浴びて初黒星。西口文也監督は「岩城も1年目ということで体の疲れもある」と続く2試合をベンチから外され“強制休養”が与えられた。

 その2日間を振り返り岩城は「試合中はロッカーにいました。なんか変な感じでした。普通だったら、そこ(ブルペン)にいて“今ごろ準備してるのかな”とか勝手に頭で思いながら見ていました。居心地が悪いというか、ちょっと気持ち悪い感じでしたね」と苦笑い。現場にいながら試合を見ているしかないもどかしさを語った。

 開幕から守護神に配置されて、1カ月以上が過ぎた。はじめは「ずっと緊張してたらシーズン持たないぞ」とアドバイスを受けた甲斐野央のブルペンでの過ごし方をじっくりと観察。「オン」と「オフ」の切り替えの重要性を学ぶ1カ月間だった。

精神的な気疲れを客観視


5月8日の楽天戦に勝利し、お立ち台に上がった左から岩城、隅田、長谷川


 しかし、2日間の休養をもらったことで肉体的なものだけではない精神的な気疲れを客観視する機会にもなった。

「やっぱり試合で投げない日もどこか、リラックスしていないというか、ずっと『オン』の状態が続いていたのかなと思ったりしました。そういう日が続いたりしたら、投げない日が続いても、体がちょっとしんどいっていうときもあったので。(開幕から)1カ月経ちましたけど、そういうところも、もっと普通にできたらいいなの話になるんですけど。もっと工夫することがあるんじゃないかと感じました」。

 そう語る岩城が、今後時間をかけて取り組もうとしていることが「オフ」から「オン」へ明確にスイッチを切り替えるためのブルペン・ルーティンを作ることだ。

「もっと投げる前のことか、あとは試合の流れに入っていく中でのやるべきこととかを決めることができたら。やっぱり毎日やることになるので、なんて言うんだろう。呼吸するように、なんか普通に体ができていくのかな思ったりはしました。甲斐野さんのルーティンは毎日見て知っている。そういうものを自分も探していきたいなと思う」

 西口監督はチーム36試合目での10セーブ到達に「安定したピッチングを続けてくれている。大事なところを任せているので、それぐらいやってくれると思って任せている」とドラフト2位ルーキーに大きな信頼を語っている。

 一方で、あれよあれよという間に2桁セーブに到達してしまった岩城は「守護神の重圧? 感じないようにしてます。感じるとやっぱり苦しくなってくる。そこを変に意識しちゃうと、違うところに頭がいっちゃうので。ただ自分のボールを投げるということに集中してやってるつもりではいます」ともコメント。この厄介な意識をうまくいなしながら、目標とする「31セーブ」を目指していく構えだ。

文=伊藤順一 写真=兼村竜介
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