六番で勝負強い打撃を発揮

一軍昇格後、強打を発揮し続けている平沢
西武が5月10日の
楽天戦(ベルーナ)で楽天に6対1と快勝し、今季初の4連勝。貯金を最多の3に増やして首位・
オリックスとの差を2.5ゲーム差に縮めた。
貧打が近年の課題だったが、リーグ3位の149得点をマーク。
DeNAからFA移籍してリードオフマンとして活躍していた
桑原将志が4月下旬に「左ふくらはぎの肉離れ」で戦列を離れたのは痛手だが、左脇腹の違和感から復帰した
タイラー・ネビンの存在が心強い。5月1日に一軍昇格すると、9試合出場で打率.485、4本塁打、10打点と絶好調だ。
そして、この男の貢献度も非常に高い。現役ドラフトで移籍2年目を迎えた
平沢大河だ。開幕をファームで迎えたが、4月5日に一軍昇格すると広角に安打を打ち続けている。5月9日の楽天戦(ベルーナ)では、1点差を追いかける6回無死一、三塁の好機で右翼に逆転の2号3ラン。23試合出場で打率.370、2本塁打、11打点で、得点圏打率.474と驚異的な数字を叩き出している。打線の核となっている活躍ぶりに首脳陣の評価は高い。走者を置いた場面で打席が回ってくる六番に打順が固定されている。
ドラフト1位でロッテ入団

ロッテでは2016年から9年間、プレーした
仙台育英高からドラフト1位でロッテに入団し、「強打の遊撃手」として将来を嘱望されたのが10年前にさかのぼる。高卒1年目から一軍で23試合出場し、打率.149、0本塁打、3打点。平沢は高卒1年目を以下のように振り返っている。
「春先から二軍の試合では当たりが出ていたのですが、やっぱり一軍と二軍では全然違いましたね。まず球場の雰囲気が違う。そこで戸惑ったところはありました。もちろん、技術的な部分ではあらゆる面で差を感じました。特にバッティングです。まず、バットにボールが当たらなかったですから。今のままではダメだ、ということをあらためて感じました。ただ、そういったことを感じることができただけでも収穫は大きかったと思っています。一軍のレベルというものを見て、体感したことで、そのレベルに合わせながらファームでも試合や練習に取り組むことができましたから」
オフに故郷の宮城県に帰省し、母校の仙台育英高に出向いた。
「後輩たちに会いに行くというのもありましたけど、一番は佐々木(順一朗)監督にあいさつをするためです。お会いしたのは仙台で初ヒットを打ったとき以来でした。そこで『もっと上から目線で行け』『どんなボールでも来い! という感じで打席に入ったほうがいい』ということを言っていただいて。確かに今考えると、『1年目だから』という引いた気持ちがどこかにあったのかもしれませんし、打席ではオドオドしているように見えたのかもしれません。そんな気持ちではプロでやっていけない。メンタル面はこれからもっと大事になっていくと思うし、そういう考え方はすごく参考になります。すぐに実践できるかというと、練習しなければできないことだと思うし、練習を重ねて、自信をつけて、です。練習の積み重ねで自信もつくのかな、と思いますね」
ロッテ時代の3倍の活躍を期待
経験を大きな糧にしたかったが、打撃の確実性が課題となり一軍に定着できずに月日が流れていく。2024年に3年ぶりの一軍出場なしに終わり、同年オフに現役ドラフトで西武に移籍。昨季はオープン戦で好調をアピールしていたが、3月28日の開幕当日に急性腰痛を発症して離脱し、わずか7試合出場に終わった。崖っぷちに追い込まれたが、ファームでは78試合出場で打率.274、9本塁打、30打点で出塁率.395と打撃に関して手ごたえをつかんでいた。
現役ドラフトで西武に移籍した際に、
広池浩司球団本部長が「ライオンズに入団してきっかけをつかんで大ブレークしてほしい。ロッテ時代の『13』の3倍頑張って活躍してほしい」と背番号39に託した思いを語っていた。西武に恩返しするためにも、プロ11年目の今年は大輪の花を咲かせる。
写真=BBM