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首位打者のダークホース 天才的な打撃センスの度会隆輝に「精神的に大人になった」高評価

 

勝負強い打撃で勝利に貢献


今年は開幕から勝負強い打撃を見せている度会


 阪神佐藤輝明が春先から好調を維持し、打撃3部門でリーグトップに立っている。昨年は本塁打、打点の2冠に輝いており、今年は三冠王を獲得できるか注目される。その中で、首位打者のダークホースと目されるのが、プロ3年目のDeNA度会隆輝だ。

 今年は勝負強い打撃が目立つ。4月12日の広島戦(横浜)で、同点に追いついた7回二死二塁の好機に代打で登場すると、初球の直球を思い切りよく振り抜いて右翼に運ぶ2号2ラン。この一撃が決勝弾になった。5月9日の阪神戦(甲子園)でも同点に追いついた一死満塁の好機で、左腕・大竹耕太郎の直球に反応して三遊間を破る2点適時打を放った。13日の中日戦(横浜)で今季13度目のマルチ安打をマークして勝利に貢献。35試合出場でリーグ2位の打率.311、3本塁打、13打点と好成績を残している。

首脳陣が求める高い水準


 ドラフト1位で3球団が競合した逸材は「天才的な打撃センス」と評されていたが、なかなか殻を破り切れなかった。昨年は86試合出場で打率.241、6本塁打、25打点。1年目より出場試合数を増やしたが、守備や走塁で改善の余地があり一軍に定着できなかった。期待が大きいだけに首脳陣の求める水準は高い。今年の3月上旬。相川亮二監督が度会の野球に取り組む姿勢について物足りなさを指摘してファームへの降格を決断。期待の若手ではなく、主力としての自覚を持ってほしい。指揮官のメッセージを重く受け止めただろう。オープン戦で打率.316をマークし、開幕一軍入りを果たした。

 試合に出場したい思いは誰よりも強い。昨季は主に外野を守ったが、今年から三塁の守備に挑戦。昨年の秋季トレーニングで精力的に内野ノックを受けた成果もあり、下半身の安定感が増した。「土台がしっかりできてきていると実感している。内野の守備練習は打撃に生きると深く感じました」と手ごたえを口にしていた。シーズンに入ると右翼、左翼、三塁と3つのポジションを守り、起用法の幅が広がっている。

指揮官が攻守で重視する状況判断能力


 相川監督が攻守で重視するのは、状況判断能力だ。週刊ベースボールのインタビューで以下のように語っている。

「ベイスターズの最大の特長は攻撃力です。そこが前提になります。攻撃力を伸ばしながら、守備力というところの技術の成長は、いつまでも止まることはない。その中には“状況判断”というところも入ってきますし、この部分はまだまだ改善していかなくてはいけません。あるシチュエーションがあって、そのときに全員が『この場面であればこうする』と一致した状況判断をできるようなチーム力、組織力が重要になります。キャンプでは、このすりあわせを全員でしてきました」

「全員が同じ状況判断をすることができれば、プレーの質が高まりますが、現在のチームはまだ向上の余地があります。何もすべてファインプレーをしてくれと言っているわけではなく、アウトにできるプレーは確実にアウトにする。『この場面であればこうだよね』という選択が個人個人で違う状態を埋めていく。それができなければチームとしての戦術も成立しないので、もっと改善していきます。もちろん、それは守備だけではなく攻撃においてもです」

 DeNAは20年に佐野恵太、23年に宮崎敏郎、24年にタイラー・オースティン(現カブス)が首位打者に輝くなど、巧打者が生まれてきた歴史がある。度会もバットコントロールのうまさに定評があり、左投手に対しても今季は打率.326と対応力の高さが光る。もちろん、個人成績は現時点で頭にない。

「優勝したときに『度会の活躍があったから』と一言でも言ってもらえるような準備をしたい」

 天真爛漫な性格で愛されてきたが、今年は発言が控えめになり、「試合中も感情をコントロールして精神的に大人になった」という声が聞かれる。リーグ優勝に向けて不可欠なピースへ。強い決意を持ってシーズンを駆け抜ける。

写真=BBM
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