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佐藤輝、村上、中野、石井と同期入団…ブレーク予感の「佐藤輝が一目置く逸材」は

 

定位置獲りの大チャンス


近本が離脱後、一番に定着して阪神打線をけん引する高寺


 阪神で激戦区のポジションに、定位置獲りの大きなチャンスを迎えようとしている選手がいる。プロ6年目の高寺望夢だ。

 一番で11試合連続スタメン出場した5月16日の広島戦(甲子園)。初回に森下暢仁から右前打を放つと中野拓夢の初球で二盗に成功し、佐藤輝明の右前適時打で先制のホームを踏んだ。5回は二塁内野安打で出塁すると、再び二盗に成功してチームトップの7盗塁をマーク。7回も左腕の塹江敦哉から左前打と広角にはじき返す。プロ2度目の猛打賞で、チームの勝利に貢献した。

 藤川球児監督は就任1年目の昨年に「凡事徹底、姿勢、没頭」をテーマに掲げ、今年は「黙って、積む」を加えた。連覇の言葉を封印したのは、もっと大きなビジョンを描いているからだ。

「強い“つもり”というのが一番ウソっぽいですからね。強くも弱くもないし、何も始まってないわけですから。今、両手には何もないわけです。一つずつ準備をして、黙って自分たちの体とかコンディション、チームにとっては選手たちの力量を上げて、しっかりと荷物を積んで開幕を迎えるというところですね」

巧みなバットコントロールとパンチ力


 佐藤輝、森下翔太大山悠輔など不動のレギュラーがチームの軸として稼働する一方で、チーム力を上げるためには若手の一本立ちが不可欠になる。熾烈な定位置争いが繰り広げられるポジションの一つが左翼だった。中川勇斗前川右京福島圭音、ドラフト3位の岡城快生などがしのぎを削る中、想定外のアクシデントが起きる。「一番・中堅」でチームの顔である近本光司が4月26日の広島戦(甲子園)で死球を受けて負傷交代。左手首の骨折と診断され、戦線離脱となった。外野は2つのポジションがレギュラー不在となり、新たなリードオフマンが必要だった。

 その中で、存在感を示しているのが高寺だった。3、4月は計5試合のスタメン出場だったが、5月4日の中日戦(バンテリン)以降は「一番・中堅」に定着。巧みなバットコントロールに加え、パンチ力もある。6日の中日戦(バンテリン)に0対0の6回無死一塁で打席が回ってくると、好投手・高橋宏斗の152キロ直球を右翼に運ぶ2ラン。この一打が決勝打になった。12日のヤクルト戦(神宮)では、初回に吉村貢司郎の149キロ直球を完璧に捉えた打球は左中間席へ。先頭打者アーチとなる2号ソロで打線に勢いをつけ、10得点で快勝した。30試合出場で打率.250、2本塁打、7打点。17四球と選球眼の良さも光り、出塁率.395は合格点をつけられる。

「走攻守でもっとできる」


 昨年は3年ぶりに一軍出場を果たし、5月13日のDeNA戦(新潟)で9回2死から同点のプロ初アーチを放った。内外野を守れることで重宝されて自己最多の67試合に出場。打率.231、2本塁打、7打点をマークしたが、高寺自身に満足感はなかった。

「1年間、ほぼ一軍にいられたんですけど、成績で見たら悔しいというか、来年は頑張らなきゃいけないなと思いました。いいことも悪いこともあったので、経験という意味では本当に良かったです。でも、数字を見たら走攻守でもっとできるなと思いました。六番とかを打たせてもらうことが多かったんですけど、得点圏であまり打てなかった。得点圏でしっかり仕事ができる打者になりたいです」

 高寺はドラフト7位で入団したが、同期入団は1位・佐藤輝、2位・伊藤将司、5位・村上頌樹、6位・中野、8位・石井大智と豪華な顔ぶれで阪神の歴史に残る豊作のドラフトと言われている。育成ドラフト1位で入団した岩田将貴(現DeNA)を含めて9人のうち、高卒で入団した唯一の選手が高寺だった。非凡な打撃センスは高卒1年目から話題になり、ワンバウンドしそうな球をすくいあげてヒットゾーンに飛ばすことも。その打撃技術は佐藤が一目置くほどだった。

 定位置を勝ち取るためには、結果を残し続けるしかない。高寺はこのチャンスをつかめるか。

写真=BBM
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