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【首都大学野球】進路をプロ一本に絞る日体大・生盛亜勇太が復調した理由

 

歓喜の胴上げ投手


日体大・生盛は4年生にして素材を開花させている[写真=BBM]


5月17日
日体大6-4武蔵大(日体大2勝)
 首都大学野球2026春季リーグ・第7週2日目。優勝を懸けた日体大と武蔵大の2回戦は日体大が武蔵大を6対4で下して連勝。3季ぶり29度目のリーグ制覇を果たした。

 試合は1回裏、日体大・酒井成真(4年・東海大菅生高)が2試合連発となる先制2ラン。3回にも1点を追加したが、武蔵大は4回表に種田太一(4年・川越東高)の2点適時三塁打などで4点奪って逆転。しかし、日体大は7回裏に藤巻一洸(4年・日大三高)が二死一、二塁から左中間へタイムリースリーベースを放って再逆転。8回にも1点を挙げると、このリードを守って胴上げ投手となったのが生盛亜勇太(4年・興南高)だ。

「『4回か5回からロングリリーフでいく』と言われていたので準備していました」

 その言葉通りに4回途中からマウンドに上がると、この回に失点したものの、5回以降は140キロ後半のストレートと変化球のコンビネーションで相手打線を寄せ付けない。

「左打者へのカットボールでバットの芯を外すことができました。調子はあまりよくなかったのですが、バックを信じて投げたのが良かったと思います」

 5回2/3を投げて4安打1失点。実は前日に好投した同級生の西平晴人(4年・近大付高)から「相手打者に対するメモをLINEの長文でもらっていて、それを参考にして投げました」と、仲間の助力もあって好投。9回表も簡単に2アウトを奪うと、最後の打者はカットボールで見逃し三振。

「優勝した瞬間のことはあまり覚えていなくて、気が付いたらチームメートが近くまで駆け寄っていました。興南高で甲子園出場を決めた時は、まだコロナの影響があって密集した状態になることができなかったのでうれしかったです」

制球力の課題を克服


 生盛は興南高時代に侍ジャパンU-18代表でプレーした逸材。日体大ではケガに苦しんだ。

「入学してから一年間は故障で投げることができず、正直、焦りがありました。ただ、先輩のみなさんから『良いボールを持っているんだから、自信を持て。3、4年生になってから結果を出せばいい』と言われて、とても励みになりました」

 同じように長く故障に苦しんだ日体大の先輩・寺西成騎(オリックス)からは在学中、体幹を鍛えるメニューを教えてもらい、地道なトレーニングを続けてきた。そして、2年夏に投球を再開し、秋にリーグ戦デビュー。明治神宮大会出場をかけた関東大会では創価大戦で先発も任されたが、肩痛に悩まされて3年春のシーズンは全休。秋は戦列に復帰したが思うような結果を残せなかった。

 そんななかで課題となっていたのが制球力だ。

「キャッチボールからボールの軌道を意識して投げるようにしました。そして、メジャーを使って実際に一直線にラインを引き、そのラインに合わせて投げ込んできました」

自己啓発本を熟読


 今春は東海大1回戦で自己最速タイの153キロをマーク。先発として起用された筑波大2回戦では7回1失点の好投でリーグ初勝利を挙げた。

「7回に(二死二塁のピンチでフルカウントから)ずっと練習してきたインコースの真っすぐで見逃し三振をとることができ、自分の良さを出すことができました」

 その後、調子を崩してリリーフに回ったが「自己啓発本を読むのが好きなんですが、ソフトバンクのメンタルトレーナーの方が書かれた本を読んで、欲を出さないことやピンチの場面でも集中することで自分を平常心に戻すことを心掛けるようになりました」。帝京大3回戦では5回からの5イニングを無失点に抑えて、今季2勝目。この日の武蔵大2回戦でも「最後のアウトをとるまで気を緩めず投げました」と集中力を欠くことなく、付け入る隙を与えなかった。

 リーグ優勝を果たし、全日本大学選手権へと駒を進めた日体大。生盛は「2年の明治神宮大会では1イニングしか投げていないので、もっと長いイニングを投げたい。自分のストレートがどこまで通用するか試してみたいです」と話す。進路はプロ一本に絞っており、全国の舞台は絶好のアピールの場。生盛のピッチングに注目だ。

取材・文=大平明
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