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昨年と別人? 驚異的な奪三振能力でメジャーが熱視線送る「阪神の本格派右腕」は

 

相手打者をねじ伏せる投球


5月に入って、圧倒的なピッチングを見せている才木


 目を見張るペースで三振を積み重ねている右腕が阪神才木浩人だ。今季48イニング投げてリーグトップの66奪三振。奪三振率12.38と驚異的な数字を叩き出している。

 今年の才木は新たな領域にステップアップしたように感じる。4月7日のヤクルト戦(甲子園)の投球内容が象徴的だった。150キロ台中盤の直球、落差の鋭いフォークに打者のバットが空を切る。スライダーも効果的に決まり、初回から8回まで全てのイニングで三振を奪って16奪三振。セ・リーグタイ記録で1968年江夏豊以来、球団史上58年ぶりの快挙だった。3点を失ったが、無四球だったことも大きな価値がある。

 4月下旬に2試合連続6失点を喫したが、5月以降の登板で不安を払拭している。3試合登板で計21イニングを投げて30奪三振で防御率0.43。メジャーのスカウトがバックネット裏で熱視線を送る中、相手打者をねじ伏せる投球で凄味を漂わせている。

 向上心が強い右腕は常に高みを目指している。昨年は24試合登板で12勝6敗、防御率1.55をマーク。2年連続規定投球回&防御率1点台を達成し、自身初タイトルとなる最優秀防御率を獲得した。申し分ない活躍に見えるが、2ケタ奪三振をクリアした登板が一度もなかった。157イニングを投げて122奪三振。この数字に本人は満足しない。昨年12月にハワイの優勝旅行を辞退し、トレーニングに励んだことは決意の表れだった。今年は直球の球速が上がる一方で、フォークは球速が落ちて落差の幅が大きくなったことにより、打者は対応が難しくなっている。制球力も改善し、昨年に比べて安定感がさらに高まっている。

理想の投球フォーム、スタイルは?


 才木は昨年8月に週刊ベースボールのインタビューで理想の投球フォームや投球スタイルについて、以下のように語っていた。

「理想の投球フォームというのはあまりなくて、リリースまでの中で力の流れ、ということを意識しています。体というのは日々、1年ごとに変化をしていくものなので、そこで投球フォームが変わってしまうと思うんです。だからこそ、投球フォームを意識するよりも、力の流れを意識したほうがいいのかなと思いますね。足を上げてから、リリースまでの体の流れの中で、力の入れ方や、流れ方をイメージして投げているという感じです」

「まずは試合をつくって、チームが試合に勝つというのが、僕の一番の仕事かなと思いますし、タイプ的に力投型なので『マダックス(100球以内で完封)』への興味はそこまでないんですよね。ただ、僕のようなタイプが3球で三振を奪い、早いカウントでフライアウトなどのアウトを重ねると、可能性がないわけではないです。そういう投球内容が僕の理想の投球ではあるので、そういう投球は目指したいですね」

3年連続防御率1点台の偉業へ


 村上頌樹高橋遥人と球界屈指の投手たちと強力な3本柱を結成しているが、「刺激し合っているというのは、僕の中ではあまりないんです。自分のやるべきことをしっかりやっていく、という気持ちしかないですね。先発陣は1人1試合の責任があり、それぞれがその試合を任されるものだという考え。もちろん、みんなすごい数字を残してはいますが、そこに僕のモチベーションは関係ないよね、という感覚ですよ」と笑う。

 奪三振をどこまで積み重ねられるかと共に、今年は3年連続防御率1点台という大記録達成の期待がかかる。1950年の2リーグ制以降でこの快挙を達成したのは7投手のみ。日本記録の5年連続防御率1点台を記録したダルビッシュ有(パドレス)を筆頭に、現役の投手では田中将大(巨人)、山本由伸(ドジャース)と球界を代表する右腕たちが名を連ねる。才木は今季8試合登板で防御率3.00。2試合連続大量失点で4月終了時点は防御率5.00だったが、その後に安定感を取り戻している。投手タイトルを総ナメにする投球を期待したい。

写真=BBM
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