指揮官も「申し分ない働き」

高卒2年目ながら勝利の方程式の一角を担う篠原
首位・
西武のブルペンを支えるドラフト2位ルーキー・
岩城颯空、2年目・
篠原響の新方程式が高いレベルでパ・リーグの新人王争いをけん引している。
5月28日の
ヤクルト戦(神宮)に8対0と快勝し単独首位に返り咲いた西武。シーズン51試合を終え29勝20敗2分け(勝率.592)の貯金9は2022年9月6日以来の数字で、同年以来の2ケタ貯金にも王手を掛けている。チーム防御率2.57は12球団トップで、そのブルペンで勝利の方程式を形成しているのが、大卒1年目、22歳の岩城颯空と高卒2年目、弱冠19歳の篠原響だ。
岩城は開幕からチームの守護神として20試合に登板し0勝1敗2ホールド16セーブ、防御率2.70でパ・リーグ、セーブ王争いの2位につけている。セットアッパーとして起用される篠原も27日の同戦で
サンタナに今季初被弾となる10号同点2ランを打たれたものの、17試合(16回1/3)で1勝1敗12ホールド、防御率1.65、24奪三振と堂々たる数字を残している。
ライオンズの未来を担う2投手の活躍を
西口文也監督は「申し分のない働きじゃないですかね。本当に予想以上の働きをしてくれてると思います。2人とも本当に素晴らしいボールを投げ続けてくれているんで、チームにとっても頼もしい」と手放しで称賛している。
少し気の早い話だが、リーグ全体の中でも抜けた成績を残すこの2投手が高いレベルでパ・リーグの新人王争いをリードしているのは間違いのないところだ。
最速158キロのストレートを軸にカットボール、スライダー、チェンジアップなどで投球イニング(16回1/3)以上の24奪三振(奪三振率13.22)をマークする篠原は「岩城さんのほうが後ろを投げていますし、まあセーブの数も岩城さんが多いので、全然意識するところはないです」と年上の大卒ルーキーを立てながらこう語る。
「新人王は記者投票なので、あんまり自分の数字でどうこう(コントロール)できるものじゃないと思っています。なので、いま自分はチームが勝っている場面で登板させていただいているので、その勝ちを壊さないようには意識しています」
リーグ2位の16セーブ

開幕から守護神として勝利に貢献している岩城
一方、開幕から守護神に任命されリーグ2位となる16セーブを稼ぐ岩城は「インパクトはシノのほうが強いと思っている。投げている球、数字的にもインパクトは自分よりシノのほうが強い。自分とはまったく別物だと思う」と若干19歳とは思えないスピードボールとマウンド捌きで三振の山を積み上げていく篠原のポテンシャルに白旗を挙げている。
「ドラフトの時に今の状況は全く想像できなかった」と語る岩城は「(開幕から)一軍にはいたいと思っていましたが、まさか9回を投げているとは思わなかった。まさかこのポジションで、というのは想像できなかったです」と首位チームの守護神として、リーグトップの数字を叩き出す自身の現状をどこか信じられないといった様子で語る。
今は新人王というタイトル争いのことよりも「ピッチャー陣の中で、いい雰囲気でブルペンで時間を過ごすことができている」ことに充実感を感じているよう。
パ・リーグ新人王争いをけん引する二人のデッドヒートが続けば、必然的に西武の7年ぶりのリーグ優勝も近づくことになる。
文=伊藤順一 写真=BBM