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快進撃の西武「ドラフト、FA+外国人補強、既存戦力の底上げ」すべてがプラス作用の理想的な現実

 

貯金12を稼いだ5月


西口監督が率いる西武は交流戦に入っても勢いが衰えない


 西武は5月31日のDeNA戦(ベルーナ)に0対6と完敗、交流戦2カード目で初黒星を喫し、5月2度目の7連勝はならなかった。それでもこの5月は全9カードで負け越しなしの8カードに勝ち越し。18勝6敗1分け(勝率.750)の快進撃でパ・リーグ首位に躍り出た。

 西口文也監督は5回2安打と打ちあぐねた相手先発・尾形崇斗について「なかなか的を絞り切れなかった。的を絞った中でもはいき返せずということで、今日は完全にやられたってとこですね」と完敗を認めた。

 その上で貯金12を作った5月の戦いぶりについて「投打ともにしっかりと噛み合ったことで、これだけの貯金ができたと思う。交流戦の入りも良かったと思います。また月が変わって球場も変わって、また(相手が)阪神さんで。台風も来ているってことでどうなるか分かんないですけど。次の試合っていうのが大事になってくると思う。しっかりとやっていきたいと思います」とコメント。躍進の1カ月を総括し甲子園、バンテリンと続く敵地6連戦を見据えた。

 5月の25試合ではチーム打率.277、同117得点(1試合平均4.68点)と打線が爆発した。これに同チーム防御率2.37、65失点(1試合平均2.60)を誇る盤石の投手陣が相手打線を封じ込め、試合をつくった。投打の歯車がガッチリと噛み合う理想的なチームバランスが快進撃の原動力となった。

課題の「選手層の薄さ」が改善


5月30日のDeNA戦ではお立ち台に新人・小島大河[左]、隅田知一郎が上がった


 西武は2019年オフに秋山翔吾(現広島)が流出して以降、長らく外野のレギュラーが固定できなかった。しかし、現在は昨年キャリアハイの数字(124試合で打率.264、10本塁打)をマークし念願のゴールデン・グラブ賞を獲得、レギュラー定着への足場を築いた西川愛也を軸にFA加入した桑原将志、5月の打率.322、6本塁打と絶好調な新外国人のアレクサンダー・カナリオがその両脇を固める。

 これにシーズン51試合目で早くも昨年の自己ベストを更新する7本塁打をマークした長谷川信哉が内外野のユーティリティーとして起用の幅を広げた。また、ここ一番での活躍が印象的な岸潤一郎がベンチに控え、NPBへのアジャストにまだ時間が掛かっている林安可も含め群雄割拠。桑原が左ふくらはぎ肉離れにより離脱していた約1カ月間(4月22日〜5月25日)もチーム力が落ちることなくチャンスを得たライバル選手がアピールを繰り広げた。

 これは内野陣、捕手陣も同様ですべてのポジションにレギュラーを競う高いレベルの競争相手、ユーティリティーがいることで昨年までチームの大きな課題だった「選手層の薄さ」が劇的に改善。厚くなった選手層と競争原理が活発な打線の推進力となっている。

ポジティブな化学反応


 チームがうまく回っている理由について、球団関係者は「なにかひとつではない。編成面、育成、現場の運用を含め、複合的にすべてがうまくいっているのでは」と分析する。ドラフトでは文字どおり「即戦力」として獲得した1位・小島大河(明大)、2位・岩城颯空(中大)の大卒ルーキーが開幕から戦力となり、チーム編成的に層の薄かった30代前半の中堅層に桑原、石井一成をFA補強、外国人補強でもカナリオ、林、アラン・ワイナンスを獲得し、足りないピースを埋めた。そして長谷川、滝澤夏央渡部聖弥古賀悠斗ら現有戦力の底上げのすべてが絡み合って今、現場ではポジティブな化学反応が起きている。

 ドラフト、FA+外国人補強、既存戦力の底上げのすべてがプラスに作用する理想的な現実。そして、現場からは「選手だけじゃなくて、スコアラーさんやデータ班ら裏方さんも含めてコミュニケーション、連携がすごく取れている」(熊代聖人外野守備・走塁コーチ)とチームが一丸となって同じ目標に向かっている。

 5月の快進撃を確かな自信として、新生ライオンズが交流戦初V、そして7年ぶりのリーグ制覇の足場を固めるための6月を迎えている。

文=伊藤順一 写真=BBM
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