試合の流れを変えるプレー

中日打線の中で開幕から存在感を発揮している村松
中日は交流戦で開幕から4連勝と好スタートを切ったが、その後に4連敗を喫して借金15に逆戻りした。6月3日の
ソフトバンク戦(バンテ
リン)は4点のリードを守り切れず、延長戦の末に逆転負け。5回に先制の左前適時打を放った
村松開人に笑顔はなかった。
開幕から全試合出場していたが、5月24日の
広島戦(バンテリン)でダイビングキャッチを試みた際に右手首を負傷。試合途中で病院へ直行して患部の状態が心配だったが、大事には至らなかった。実戦復帰2試合目となった29日の
オリックス戦(京セラドーム)では守備でチームを救った。先制を許し、さらに初回二死満塁のピンチで
杉本裕太郎が二遊間にはじき返した打球をダイビングキャッチ。すぐに一塁に送球して内野ゴロにした。打球が抜けていれば2点が入っていた可能性が高い。最少失点に切り抜けたことで試合の流れを変え、逆転勝利を飾った。
不完全燃焼に終わった昨季
プロの世界で活躍し続ける難しさは肌身で感じている。24年に109試合出場で打率.275、1本塁打、25打点をマーク。遊撃の定位置をつかみかけたが、昨年は春先から打撃の状態が上がらず、4月下旬に「右内腹斜筋損傷」で戦線離脱した。5月下旬に再昇格したが、7月末に再びファーム降格と本来のパフォーマンスを発揮できず、54試合出場で打率.177、2本塁打、10打点と不完全燃焼に終わった。
巻き返しへ期する思いは強い。昨オフは減量に取り組み、「体重を5kgほど減らしました。体脂肪率を落として、筋肉量を上げてというイメージです。体脂肪率は昨年と比べて、感覚的に3〜4%は減っているのかなと思います。ものすごく食事制限しました。大変でした。食べるものも気を付けました。例えば、焼き肉に行ったら白米を食べちゃうじゃないですか。いつも2〜3杯ぐらい食べていたのを、小ライス1杯で我慢しました。頑張りました(笑)。減量という減量にはちゃんと成功できたのかなと思います。自主トレで取り組んできたことも含めて、その成果はシーズンが始まってからになります。143試合出るための体づくりを引き続き心掛けていきます」と語っていた。
今年2月の春季キャンプで、ともに汗を流しながら指導を受けた
川崎宗則臨時コーチ兼選手から「余計なことは考えなくていい」と助言を受けたことも心に響いた。気持ちの切り替えの重要性を再確認。チームは最下位に低迷しているが、村松の奮闘が目立つ。4月24日の
ヤクルト戦(バンテリン)で1点差を追いかける9回一死二、三塁で右翼ホームランウイング席に逆転サヨナラ3ラン。
ポイントゲッターとしても稼働

これからもチームの勝利に直結するプレーを続けていく
下位打線を打っていたが、5月1日の広島戦(マツダ広島)から三番に入り、「下位と比べると勝負してくるので、厳しいコースやストライクゾーンに強いボールが来る。その分、狙い球を絞って整理しながら打席に入れている」と思考が変化した。5日の
阪神戦(バンテリン)で一死満塁から走者一掃の適時三塁打を放つなど4打点の大活躍。8日の
巨人戦(バンテリン)でも2本の適時打を放ち、チャンスメークするだけでなくポイントゲッターとしても稼働している。
右手首の負傷から復帰した28日の
楽天戦(バンテリン)では、1点差を追いかける8回一死二塁の好機で、7球粘った末にノーステップ打法で左翼線に落とす執念の同点適時打。逆転勝利に貢献した。
今季は52試合出場で打率.275、3本塁打、26打点で、出塁率.385はリーグ2位の好成績だ。他球団のスコアラーは「簡単に空振りしないし、ボール球をきっちり見極めるので選球眼がいい。パンチ力があるし神経を使う打者です。もっと評価されていい選手だと思います」と分析する。
7月28、29日に開催される球宴のファン投票で6月3日に中間発表が行われ、村松は遊撃手部門で2位の10万2127票。1位の
長岡秀樹(ヤクルト)を約8000票差で追いかけ、こちらの動向も気になる。攻守でチームを勝利に導く働きを見せることで、存在価値が高まる。今後のさらなる活躍が楽しみだ。
写真=BBM