苦しむチームで奮闘

交流戦でパ・リーグ相手に好投を見せている金丸
セ・リーグは
巨人をのぞく5球団が交流戦で負け越しと苦戦している。
中日は4連勝と好スタートを切ったが、その後は2勝10敗と失速。6月12日の
日本ハム戦(エスコンf)で1対3と敗れ、今季ワーストの借金19にふくらんだ。
その中で、奮闘している左腕が
金丸夢斗だ。交流戦は3試合登板で1勝1敗、防御率1.29。5月28日の
楽天戦(バンテ
リン)で8回6安打1失点に抑えて今季4勝目をマークすると、6月4日の
ソフトバンク戦(バンテリン)は初回に味方の失策の後、
栗原陵矢に2ランを喫したが、7回6安打2失点(自責点0)と2回以降に追加点を許さなかった。11日の
ロッテ戦(ZOZOマリン)は6回9安打2失点。4試合で初回に失点と立ち上がりが課題だが、崩れずに先発としてきっちり試合を作った姿が成長の跡を感じさせる。
11試合登板で4勝5敗、防御率2.43。エースの
高橋宏斗が9試合登板で1勝6敗、防御率4.86と状態が上がらずファームで調整している中、プロ2年目左腕が
柳裕也とともに先発陣を引っ張っている。パ・リーグ球団のスコアラーは「腕をムチのようにしならせて投げ込むフォームが中日OBの
今中慎二さんと重なります。直球、スライダー、スプリットとほれぼれする質の球を投げる。まだまだ成長過程でしょうし、すごい投手になると思いますよ」と絶賛していた。
侍ジャパンの一員としてWBC出場
ドラフト1位で4球団が競合した逸材は、新人の昨年15試合に先発登板し、2勝6敗、防御率2.61をマーク。関大のときに痛めた腰の状態に配慮しながら、新人合同自主トレ、春季キャンプを過ごし、5月5日の
DeNA戦(バンテリン)で一軍デビューすると、故障による戦線離脱がなくシーズンを走り切った。投球内容を見ると打線の援護に恵まれないケースが多く、白星がもっと増えても不思議ではなかった。
今年は侍ジャパンの一員でWBCに初出場。下半身のコンディション不良に見舞われた
松井裕樹(パドレス)に代わり、宮崎合宿後の緊急招集だった。日の丸のユニフォームを身にまとった金丸が、マウンドで強烈な輝きを放つ。3月10日に行われた1次ラウンドのチェコ戦(東京ドーム)で7回から救援登板すると、5者連続三振を奪うなど2回無失点。WBC初登板で初勝利を飾った。準々決勝のベネズエラ戦で敗退して大会連覇を達成できなかったが、野球人生の大きな財産になる時を過ごした。
求められる高い水準
シーズンに入ると、3試合目の登板となった4月14日の
広島戦(豊橋)で8回途中7安打8奪三振2失点の快投で今季初勝利をマークした。
「僕にとっては、3月のWBCで故障辞退した松井(松井裕樹、パドレス)さんの代わりに代表に行かせていただいて、チーム復帰後、初めての白星。シーズンで圧倒的なピッチングをしたい、と思ったのも代表の経験があるからです。150キロ超の速球を動かす投手たちを生で見られました。WBCでは先輩の代表選手の気遣いにも感謝しました。アドバイザーを務めた
ダルビッシュ有(パドレス)さんが僕の存在を知ってくださっていました。『はじめまして』とあいさつしたら『腰はもう大丈夫?』と言ってくれました。入団の経緯として腰痛を抱えていたのを把握されていて少しびっくりしました」と一流の投手たちの投球や交流に大きな刺激を受けたことを、週刊ベースボールのインタビューで明かしていた。
チームが金丸に求める水準が高い。期待の若手という立ち位置ではなく、左腕エースとして活躍しなければ低迷期からの脱出は実現できない。
「まずは規定投球回に到達するということを目標にしたいと思います。この1年を振り返って、それが難しいということを感じました。到達できればタイトルというものも見えてくると思います。もう1つ挙げてもいいのなら2ケタ勝利になります。とにかく26年はシーズンを通して、強い気持ちを持ってしっかり投げ抜きたいと思っています」
さらなる高みを目指し、左腕を振り続ける。
写真=BBM