今季3度目の6連勝に貢献

走攻守で躍動している滝澤。西武打線に欠かせない存在だ
西武は6月12日の
巨人戦(ベルーナ)に3対0と勝利し今季3度目の6連勝。貯金を17に伸ばし、交流戦成績を12勝2敗1分けとし、3試合を残して首位に浮上した。
初回、西武は巨人先発・
竹丸和幸を攻め一死から
滝澤夏央の左前打、続く
長谷川信哉の5試合連続打点となる左中間二塁打で幸先よく1点を先制した。
さらに6回一死三塁の好機で滝澤が竹丸のチェンジアップをおっつけて左前へ2点目となる適時打。さらに滝澤は8回にも右線適時三塁打を放ち3安打2打点の活躍。チーム4安打のうち3本を放ち先制、中押し、ダメ押しと効果的に挙げた3得点に絡んだ。
西口文也監督は「光成(の状態)はあまりよくなかったが、その中でもしっかり試合をつくってくれた」と7回1安打無失点で7勝目(3敗)を挙げた
高橋光成を称えながら、効果的な3得点をこう振り返った。
「今日はなかなか(竹丸を)打ちあぐねていたんですが、本当に(チャンスが)夏央のところにいい感じで回ってきてしっかりかえしてくれた。(初回は)夏央が出てハセ(長谷川)が一発でいいところで打ってくれた。調子のいい2人が1点をもぎ取ってくれた。(6回は)相手のミスに助けられた形ですけど、そこで夏央がしっかり打ってかえしてくれた。今、夏央とハセはチームにとって欠かせない存在になっている」
「出塁は自分の役割」

先発の高橋[右]とともにヒーローインタビューを受け、お立ち台で抱き合った
前日に規定打席に到達し連続出塁を「32試合」に伸ばした滝澤は交流戦打率を3割に乗せ、通算打率も.298とした。
お立ち台で滝澤は「出塁というのはひとつ自分の役割だと思っている。記録を伸ばせるよう頑張りたい」と語り猛打賞をこう振り返った。
「(6回は)追加点が欲しいところで
カナリオがよく走ってくれた。食らいついて結果がヒットになってよかった。(8回は)1点欲しいところで有利なカウントだったので思い切っていけました。(打率は)気にせず、出塁というところを意識してやっていきたい。チームの雰囲気がいいですし、勝ちが続いているので流れに乗って打てている。(交流戦は)あと3試合あるので一戦一戦、戦って優勝できるように頑張りたい」
「守備」という武器があったからこそ
身長164センチと小兵の22歳はいまやゴールデン・グラブ賞7度の名手・
源田壮亮を控えに回し、ここまで23試合で遊撃のスタメンを張る好調なチームに欠かせないピースとなっている。
この日の3安打2打点でも証明しているように、課題であった打撃が向上し、相手投手にしつこく食らいついて球数を投げさせる二番打者としてもチームに貢献している。
2021年ドラフトの育成2位として滝澤を指名、獲得したスカウト、編成関係者の多くは「守備はもう間違いなかった。内野のバックアップとしての評価だったが、まさかレギュラー争いに食い込んでくるとは」とその成長ぶりに目を見張っている。
滝澤のスカウティングにも関わった
潮崎哲也シニアアドバイザーは「守備はもうダントツ。高校生の中で動きは群を抜いていた。でも身長が低いから、大丈夫かな、と。最後の夏はピッチャーで背番号1をつけていたので(遊撃手としては)余計目立たなかった」と当時に言及。他球団からは投手として早々に見切りをつけられていた滝澤を早くから「内野のユーティリティー」として目をつけ、評価していた5年前を回想している。
その小さな体からあふれる負けん気と向上心で、自身にとって「憧れの存在」でもある源田の居場所すら脅かす存在になりつつある滝澤。二遊間を高いレベルで守れる。この「守備」という代えの利かない武器があったからこそ、一軍で居場所を確保し、打撃を磨く時間と機会が得られた。一芸に秀でた滝澤の“レギュラー定着戦略”がいよいよ実を結ぼうとしている。
文=伊藤順一 写真=大泉謙也