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失意のWBCから3カ月…打撃タイトル狙える「天才打者」は

 

交流戦Vへ強打発揮


巧みな打撃でソフトバンク打線をけん引する近藤


 一流と呼ばれる打者は試合中の修正能力が高い。ソフトバンクが6月13日のヤクルト戦(みずほPayPay)で8対1と快勝。試合の流れを変えたのは近藤健介だった。

 ヤクルトの先発はリーグトップの7勝をマークしている山野太一。初回に独特の軌道のスライダーで空振り三振を喫すると、1点差を追いかける3回二死一塁で打席が回ってきた。2ボール1ストライクから1打席目で三振に仕留められたスライダーを完璧にとらえ、右翼席中段に飛び込む逆転2ラン。この一打で勢いに乗った強力打線は計3本塁打で8得点とたたみかけて交流戦首位に浮上。今日14日に10度目の交流戦優勝を目指す。

大きな試練からのスタート


 今年は大きな試練からのスタートだった。侍ジャパンの主力として期待された3月のWBCで計13打数無安打。スタメンを外れた準々決勝・ベネズエラ戦は代打で9回に出場したが見逃し三振に終わり、終戦の時を迎えると頭を抱えた。2019年のプレミア12、21年の東京五輪で優勝を飾り、23年のWBCも大谷翔平(ドジャース)の後を打つ二番打者で26打数9安打、打率.346、出塁率.500とチャンスメーカーで稼働して世界一の原動力になっている。初めて味わう大きさ挫折に、「僕自身も国際大会で初めて負けた。いい景色を見させてもらっていたので、負けるのは悔しい」、「不完全燃焼で終わってしまった」と責任を背負い込んでいた。

 精神的なショックは大きいだろう。だが、シーズンに入るときっちり結果を出す。3、4月に26試合出場で打率.292、6本塁打、19打点をマーク。長打率.562はリーグトップだった。週刊ベースボールの取材で以下のように振り返っている。

「3、4月度の月間MVPを獲得しました。個人としてシーズンの入りに受賞できたのは、流れとしても良かったのかなと思います。WBCから調子が上がらず、自分自身としても不安でした。ファンの皆さんも不安だったと思うのでスタートとしては良かったですね。日々、いろいろ試しながらで自分自身で『これ』というのはまだ固まっていませんが、試合に出ている以上は結果を出していかないといけません。日々調整しながら新たな気持ちで試合に臨めているのがいいのかもしれません。常に上を目指すのは当たり前ですし、一番はうまくなりたいという思いでやっています。打線を引っ張っていけるように頑張りたいです」

コンスタントに安打、長打


 打撃フォームが固まっていると言えない状況で、打ち続ける姿に近藤のすご味がある。5月以降もコンスタントに安打、長打を積み重ねている。6月5日のDeNA戦(横浜)ではヒヤリとする場面も。6回に右足首付近に死球を受けると、痛みで右足を地面につくことができず、左足でとび跳ねながらベンチ前にいくと倒れこみ、途中交代した。

 故障での戦線離脱が懸念されたが、大事に至らなかった。3試合ぶりに実戦復帰した9日の阪神戦(甲子園)で、5回無死二塁の好機に椎葉剛の直球を右中間のホームランテラスに10号2ランを放つと、翌10日の同戦でもアーチを重ねる。同点の5回一死で大竹耕太郎のチェンジアップを右中間テラス席に勝ち越しの11号アーチを描いた。1点リードで迎えた7回一死二塁の好機で横浜高の後輩である左腕・及川雅貴のスライダーを右翼のポール際へ、2打席連発の12号2ランで勝利に貢献した。

 移籍3年目の昨年はリーグ連覇を飾ったが、開幕直後に腰を手術し、シーズン終盤にも左脇腹痛で離脱するなどコンディションに苦しんだ。75試合出場で打率.301、10本塁打、41打点と目標に掲げていた全試合出場が達成できず、今年は期する思いは強い。交流戦で打率.352、4本塁打、12打点と好調をキープし、シーズン12本塁打は、本塁打王に輝いた23年の自己最多26発を超えるペースだ。チームメートの栗原陵矢がリーグトップの19本塁打、52打点をマークしていることも大きな刺激になっている。リーグ3連覇に向け、近藤の活躍は不可欠だ。

写真=BBM
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