多くの人が関わった1本

国学院大の主将・赤堀は全日本大学選手権で首位打者を獲得し、トロフィーを手にした [写真=BBM]
関大との全日本大学選手権準決勝敗退翌日、国学院大の主将・
赤堀颯(4年・聖光学院高)は神宮にいた。チームを率いるのではなく、ただ一人、関大と慶大の決勝後(6月14日)の閉会式に出席。首位打者の表彰を受けた。「一番・二塁」で、全3試合でヒットをマークし12打数7安打5打点の打率.583。率直な感想を語った。
「試合に勝てなかった悔しさというのが強いですね。その気持ちでいっぱいです」
淡々と語ると、周囲への「感謝」を続けた。赤堀の人間性が、にじみ出ている。
「自分が打席でヒットを打つために、本当にたくさんの人が関わってくださって、自分の1本というのがあったと思いますし、本当にいろいろな人の力のおかげで、このような賞が取れたと思うので、すべての方に感謝したいです」
リーグ戦は打率.224でリーグ34位。短期間で修正してきた理由を語った。
「リーグ戦では少し苦しんだ部分あったんですけど、しっかり自分の打席であったり、相手投手の攻め方というのを分析して、一発勝負だったので、しっかり自分のできることをやろうというふうにして練習を積んだ成果だと思います」
満足はしていない。関大との準決勝敗退後「準備に悔いはない」と語っていた真意について聞いた。前日、秋に向けたミーティングを開き、改めて全員で意思統一したという。
「秋にやり返す、というのは全員で確認しましたし、指導者の方ともみんなで日本一を取ろうという話はしたので、次に向かう瞬間が今だと思います。日本一へと向かうにあたり、何が正解か分からないですし、日本一を取って初めて報われたり、称えられると思うんです。まずは自分たち自身が誇れるチームになって、このチームで日本一を取りたいと思えるようなチームをまずは作ることが大切かなと思います」
指揮官から全幅の信頼
チームは秋のシーズンへ向けて再始動したが、赤堀にはまだ、続きがある。準決勝後、大学日本代表候補で追加招集された8人の名簿中に、赤堀の名前があった。大会前の6月5日に42人が発表されていたが、全日本大学選手権での活躍が評価されたのである。国学院大からは左腕・藤本士生(3年・土浦日大高)が候補選手に入っている。
「たくさんの選択肢がある中で、自分の可能性を選んでいただいた方々に感謝の気持ちを持って、自分らしくプレーしていきたいなと思います」
赤堀の持つキャプテンシーは国学院大・鳥山泰孝監督が一目置くほど、全幅の信頼を受けている。28人が予定される混成チームを短期決戦で結束させる上で、赤堀のようなリーダーは欠かせない。そうした人間性も加味しての追加招集であったことは、想像できる。
「選ばれているメンバーの中でも、群を抜いて良い選手ではないと思っているので、自分の良さというのを大事にしてやっていけたらなと思います。個人的にも目指してきた場所ではありますし、大学としても連続(25年は
緒方漣、24年は
神里陸、
柳舘憲吾、23年は
武内夏暉)して代表選手が出ているというのもあると思うので、自分もその一員になれるように準備していきたいです」
選考合宿は6月20日から3日間、バッティングパレス相石スタジアムひらつかで開催される。右投げ右打ちの内野手。グラウンドでは攻守に堅実なプレーはもとより、赤堀にしかない献身的な存在感が際立ってくるに違いない。
取材・文=岡本朋祐