パ5球団に負け越し

中日を率いる井上監督。交流戦は負け越したが、セとの戦いで浮上を狙う
借金19と苦しい戦いが続くのが中日だ。交流戦は4連勝と好スタートを切ったが、その後に5連敗を喫するなど波に乗れない。
楽天を除くパ・リーグの5球団にカード負け越しで7勝11敗。低迷から抜け出せない状況で監督人事が注目されたが、朝田憲祐球団本部長は
井上一樹監督の続投を明言し、チーム再建に向けて全力でサポートすることを約束した。
過去10年間で9度のBクラスと優勝争いに絡めないシーズンが続いていたが、今年の中日は前評判が高かった。昨オフにFAの動向で去就が注目されていた
柳裕也、
松葉貴大が残留を表明。ドラフトで
中西聖輝、
櫻井頼之介と大学球界を代表する即戦力投手2人を指名できたことで投手陣の層が厚くなった。打線も
岡林勇希、
細川成也、
上林誠知、
村松開人、
田中幹也と核になる選手が出てきている。メジャー通算164本塁打を誇る
ミゲル・サノーの加入も心強かった。
だが、春先からつまずいた。3月27日の開幕・
広島戦(マツダ広島)で4点リードを9回に追いつかれて延長戦の末にサヨナラ負け。その後は救援陣が機能せず、故障者が続出する負のスパイラルに。開幕21試合を終えて4勝17敗。10度の逆転負けとダメージの残る敗戦が続いた。
まさかの逆転現象
阪神前監督の
岡田彰布氏は週刊ベースボールのコラムで、以下のように分析していた。
「逆に悪い意味で予想を裏切ったのが中日やろな。『阪神のライバルは中日』とオレも断言したよ。それは球場が狭くなり、課題の得点力が上がる、との理由があったからだが、1カ月、そこについては中日にはほとんどプラスにはならず、相手チームのホームランが増えるという大誤算よ。メリットとデメリット、これがまさかの逆転現象になってしまった。ひとたび悪い流れに陥ると、元に戻すことがいかに難しいか。それがプロ野球の世界なのだが、中日はその中にドップリとハマり切ってしまっている」
「何とかしなければ。井上(井上一樹)監督の焦りというのかな、辛抱すべき局面で動いてみたり、動くのここや、という場面で二の足を踏んだり……。まさに悪循環というのかな。まあ、何よりの特効薬は『勝つ』ことだけど、これが難しい。これを書いている時点(4月22日現在)で、まだ4勝のみ。借金は2ケタになり、勝率は1割台と記録的な数字が並ぶ。オレが何より気にするのが借金数よ。早々と10を超える借金、これは相当、厳しい状況にあると言わざるを得ないよな」
本拠地の利を生かしたい
今年から本拠地・バンテ
リンドームにホームランウイングが新設された。中日で
落合博満元監督をコーチとして支え、自身も監督を務めた
森繁和氏は球場が狭くなったことで、戦い方の変化に注目していた。
「球場で見ていたら、外野が守る位置も全然違う。後ろが狭くなると、みんな前に守備位置を取る。すると、間を抜けていく打球が多くなっているし、二塁打が増えそう。外野フェンスのクッションボールのはね返り方も把握できていないから三塁打も多くなるかもしれない。ただ、打線が多く点を取れるかもしれないけど、逆に投手が失点する可能性もある。阪神なんかが、どう思うか。過去10年でバンテリンドームでは2回しか勝ち越せてない。広い球場でなかなか中日投手陣を打ち崩せなかったところが狭くなり、打者に有利になった。他球団も含めてバンテリンドームでの戦い方に注目したい」
本拠地の利を生かしたいところだが、今季15勝19敗と負け越し。34試合のうち21試合が3得点以下と攻撃力が上がったとは言えない。一方で4失点以上を喫したのが16試合。投手陣が勝負どころで痛打を浴びるケースが目立つ。
6月19日の
巨人戦(東京ドーム)からリーグ戦が再開する。交流戦中も中日ファンが熱い応援で背中を後押ししてくれた。その期待に報いるためにも巻き返しを図る。
写真=BBM