「交流戦をきっかけにしたい」
交流戦優勝を逃したが、セ・リーグとの戦いでソフトバンクは地力の高さを示した。迫力ある一発攻勢を見せたのは6月12日の
ヤクルト戦(みずほPayPay)に敗れ、交流戦の首位から陥落したが、翌13日の同カードは
近藤健介の逆転2ラン、
野村勇の2発で大勝した。
小久保裕紀監督は「交流戦に入って貯金ができているのは、投打のバランス、かみ合わせが良くなっているからだと思う」と手ごたえをつかんでいた。
助走を十分につけて、得意の交流戦を迎えていた。開幕5連勝と好スタートを切ったが、4月中旬からもどかしい戦いが続いていた。5月半ばにはついに借金生活。先発投手陣に不調や故障が相次ぎ、我慢の日々を強いられた。苦しい状況下、5月22日からの交流戦前最後となる
日本ハム3連戦(みずほPayPay)を3連勝。とりわけチーム全員が背番号「89」を背負い、「
王貞治レガシーデー」として開催された24日の3戦目は4点差を逆転勝ち。小久保監督は「4月からなかなかかみ合わず、交流戦はきっかけにしたいと思っていた。その前にレガシーデーがきっかけになってくれたので、その勢いのままいきたい」と反転攻勢を誓った。
課題の先発陣は大津の“一本軸”

先発陣の中心となっている大津
宣言どおりに交流戦の快進撃が始まった。課題の先発陣は
大津亮介の“一本軸”で乗り切った。6連戦が3週続く交流戦。優勝した昨季は
リバン・モイネロ、
有原航平、
上沢直之ら強力6投手をきっちり中6日で回したが、今季は流動的な起用で対応。その中で6連戦の頭を任された大津がけん引した。初戦となった5月26日の
巨人戦(東京ドーム)を7回1失点で白星を挙げると、6月2日の
中日戦(バンテ
リン)は圧巻の投球。7回途中まで完全投球でプロ初完投初完封を飾った。「いずれ安打は出ると思っていた。動揺せず一つずつアウトを取ろうと思った」と涼しげに振り返った。
そこにカーター・
スチュワート・ジュニア、
徐若熙、
前田悠伍らが続いた。長いイニングは全うできなかったが、再整備された強力リリーフ陣が補完した。昨季は
藤井皓哉、
松本裕樹、
杉山一樹の“樹木トリオ”で白星を量産。だが、今季は藤井が右肘手術で不在。杉山は左手骨折で一時離脱し、WBCに出場した松本裕も開幕当初は調子が上がらなかった。
杉山も守護神に復帰し、今年の形が整ってきた。7回に
ロベルト・オスナが入り、8回松本裕、9回杉山。ここに
木村光、
上茶谷大河、
津森宥紀らも接戦で投入される。小久保監督も「だいぶ今年の戦い方が見えてきた。安心して送り出せている」とブルペン陣に自信を見せた。
強打を発揮した四番

栗原は四番として打線をけん引した
一方の打線では四番の
栗原陵矢がセ投手陣を震え上がらせた。6月9日の
阪神戦(みずほPayPay)では2打席連発。初回には通算100本塁打のメモリアルとなる先制18号2ランを放てば、3回にも12球団トップを独走する19号2ランをマークした。「今日のバッティング練習も今年一、二ぐらい悪かったので不安な気持ちで試合に入った。1打席目に出たのは大きかった」。試合直前まで
ミラールームでスイングを繰り返し、高い修正力を見せつけた2打席連発でもあった。
近藤、
柳田悠岐、
周東佑京ら主力に加え、若い力も勝利に貢献した。小久保監督は交流戦中にベテランの
山川穂高、
中村晃のファーム再調整を決断。一方で
正木智也、
庄子雄大、
廣瀬隆太らを積極的に起用した。一番に固定された正木は交流戦でも本塁打を量産。「一番の難しさはあるけど、やりがいもすごくある。一番最初に回ってくる打者なので、1打席目から強いスイングを仕掛けることで相手も怖いのかなと思う。しっかり強いスイングを入れることを意識しています」。6月12日のヤクルト戦(みずほPayPay)では先頭打者本塁打もマークした。
新たな力も加わった打線と再整備されたブルペン陣が、課題の残る先発陣を補い、交流戦は14勝4敗で2位。パ・リーグでは首位・
西武と3.5ゲーム差の2位だが、虎視眈々と頂点を狙っていく。
写真=BBM