リリーフの難しさ

貴重なリリーフ左腕として広島のブルペンを支えるハーン
リリーバーがコンスタントに結果を残し続けるのは、本当に難しい。
巨人の
大勢は最近の登板で試行錯誤が続いている。6月30日の
ヤクルト戦(弘前)で8回からマウンドに上がったが、同点に追いつかれてイニング途中で降板。21日の
中日戦(東京ドーム)で味方の失策が絡み4安打4失点と打ち込まれ、28日の
DeNA戦(横浜)も2安打1失点と1イニングを投げ切れず、3試合連続失点となった。
昨年にリーグ最多の66試合登板で6勝3敗1セーブ46ホールド、防御率0.87と抜群の安定感でリーグ優勝に貢献した
阪神の
及川雅貴もピリッとしない。4月から約1カ月間ファームで再調整するなど、18試合登板で1勝0敗2ホールド、防御率5.17。決め球のカットボールで痛打を浴びるケースが目立つ。及川と同じ左腕で阪神のブルペン陣を支えていた
桐敷拓馬も18試合登板で0勝2敗1セーブ7ホールド、防御率7.04。6月26日に2度目のファーム降格となり、復調が待たれる。
広島救援陣で必要不可欠な存在
セ・リーグを代表するセットアッパーたちが思い描くパフォーマンスを発揮できない中、安定感が際立つのが広島のテイラー・ハーンだ。開幕から15試合連続無失点を記録するなど、29試合登板で2勝1敗1セーブ21ホールド、防御率0.98。身長198センチの長身から投げ下ろす150キロ中盤の直球を軸に、ツーシーム、スプリット、スライダーを織り交ぜて奪三振率11.71と三振の山を築く。制球面で崩れることがなく、失点した登板は3試合のみで複数失点はゼロ。広島の救援陣に不可欠な存在になっている。
メジャーでは先発、救援で計104試合登板して12勝をマーク。2021、22年には当時エンゼルスの
大谷翔平(現ドジャース)を12打数2安打、5奪三振に抑え込み「大谷キラー」として知られた。広島に入団1年目の一昨年は春先に調整が遅れたが、5月下旬に一軍昇格すると、来日初登板から16試合連続無失点をマークするなど、35試合登板で0勝1敗2セーブ17ホールド、防御率1.29の好成績。だが、「勝利の方程式」として期待された昨年は生命線の直球が走らず、集中打を浴びるマウンドが増えた。55試合登板で、1勝2敗8セーブ21ホールド、防御率3.35。オフに保留者名簿から外れて自由契約となったが、広島が年俸75万ドル(約1億1600万円)、再契約金50万ドル(約7700万円)で再契約を結んだ。
コンディションに不安なし
来日3年目を迎えた日本の生活にすっかり適応し、暑い夏場を乗り越える準備に不安はない。
「自分が生まれ育ったテキサス北部のほうが気温は高くて広島よりドライかなと思うけど、気候的にはあまり変わらないと思います。暑い夏は、やっぱり水分補給が一番。取り過ぎも良くない。しっかりと調整しながら、いい状態で試合に入っていけるコンディションをつくっていくことが大事だと思います。あと、夏はあまり体力を使わないこと。今はしっかり練習量もこなしているけど、徐々に量は減らして、強度だけは保ってやっていこうと。自分はいろいろな場所で野球をやってきました。体調不良のときもありましたが、今は普段どおりに投球できています。自分の体力に合わせた練習に取り組んで、シーズンを乗り切っていきたいです」と語っていた。
球界を代表する守護神として活躍する巨人の
ライデル・マルティネスが昨オフに複数球団の争奪戦の末に、中日から巨人に移籍したが、日本で活躍する助っ人リリーバーは希少価値がある。ハーンの活躍を見ると、今オフに好条件で獲得に乗り出す球団が殺到しても不思議ではない。マウンドで表情を変えずに黙々と投げ込む左腕はプロ入り後に優勝経験がない。広島入団後も2年連続Bクラスで、今年も首位の阪神に9.5ゲーム差の4位と厳しい戦いが続いている。借金12を完済しなければ、上位3強との優勝争いに食い込めない。夏場の逆襲に向け、ハーンの力は不可欠だ。
写真=BBM