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栗山巧、中村剛也が直面する「競争社会」の現実 レジェンド2人が二軍でも技術を磨き続ける理由

 

失っていない向上心


今季限りでの引退を表明している栗山。ここまで一軍は10試合の出場だ


 西武の25年目コンビ、栗山巧中村剛也が、ともに難しい立場の中で二軍調整を続けている。

 2001年ドラフトで入団した同期の二人は、長年にわたりライオンズを支えてきたレジェンドだ。今季限りでの現役引退を表明している栗山は、8月30日の楽天戦(ベルーナ)で引退試合を迎える。今季は4月に一軍昇格して代打として10試合に出場したが、打率.111で5月下旬に登録抹消。それでも現在はファームで動作解析担当のアナリストと意見を交わしながら打撃フォームの改善に取り組み、「まずは技術の追求が第一。一軍の舞台でそれを発揮できるよう準備を続けたい」と前を向く。

 さらに栗山は、「今年限りだからこそ、自分が積み重ねてきた技術を、将来は分かりやすい言葉で伝えられるようになりたい。二軍、一軍の選手を見ながら自分も勉強している。だから技術の追求はやめられない」と語り、現役最後のシーズンでも向上心を失っていない。

 一方の中村も、炭谷銀仁朗とともに開幕から一軍昇格がない。二軍では32試合で打率.289、4本塁打、21打点(7月1日現在)と結果を残しているが、一軍のチーム事情もあり昇格の機会は訪れていない。さらに二軍は若手育成を優先する場であるため、栗山、中村らベテランは3連戦で「1試合、3打席」に限定されるなど、実戦機会も限られている。

今季は二軍での出場が続く中村剛。黙々とバットを振り続けている


 それでも中村は、「自分で決められることではない。与えられた場所でやるだけ。チームの力になれるよう準備を続け、自分の技術を高めていきたい」と淡々と話す。自分では変えられない状況ではなく、自ら磨ける技術に目を向ける姿勢は栗山と共通している。

 二人を見守る小関竜也ファーム監督は、本来であればもっと実戦機会を与えたいとしながらも、「本人たちの思いを話し合いながらやっています。今年は二人とも結果を出しているが、あとは一軍の状況次第」と説明する。その一方で、「長年培ってきた技術やメンタリティー、日々の取り組みは若い選手たちにとって大きな財産。見て学び、話を聞ける存在であることも重要な役割」とベテランの価値を強調した。

若手にとっても大きな財産


 また、同期入団で二人を新人時代から知る大迫幸一ハイパフォーマンス・コーディネーターも、「ベンチにいるだけでも若い選手に与える影響は大きい。ゲーム中の立ち居振る舞いや姿勢から学ぶことは多い」と話す。一方で、二軍での出場機会が限られる現状については、「若手を育てるのが二軍の役割。本人たちも理解していると思うし、これが競争社会の現実。自分たちも先輩を押しのけてレギュラーになった」とプロの厳しさを口にした。

 25年間、ライオンズの第一線で競争を勝ち抜いてきた栗山と中村。出場機会は減っても、技術を磨く姿勢も、若手に示す背中も変わらない。チーム事情という現実を受け入れながら、それぞれの役割を全うし続ける二人の姿は、ライオンズの未来を担う若手たちにとっても大きな財産となっている。

文=伊藤順一 写真=BBM
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